ハードウェアのスペックはもちろん、各種パーツの品質やカスタマイズの柔軟さでもパワーユーザーから高く評価されるTSUKUMO(ツクモ)のBTOパソコン「eX.computer」。その中でも「G-GEAR」シリーズは、高性能のビデオカードや冷却機構の搭載により、長時間連続して高いグラフィックスパフォーマンスを発揮できるゲーマー向けの製品となっている。

TSUKUMOでは今年春より、G-GEAR初のノート型モデルとして「G-GEAR N158J」シリーズを販売していたが、今回新たに第4世代CoreプロセッサーとGeForce GTX 770Mを搭載した2代目製品の「G-GEAR N1580J」シリーズを発売した。性能の向上はもちろん、筐体の設計にもゲーマー向けのさまざまな工夫がちりばめられている新モデルを、早速チェックしてみよう。

新筐体になって登場したG-GEAR「N1580J」シリーズ

新デザインの筐体にSteelSeriesキーボードを搭載

ディスプレイサイズは従来製品と同じ15.6型を採用した「G-GEAR N1580J」シリーズだが、筐体は全面的に新しい設計となっており、リニューアルではなく完全に新規の製品と見てよさそうだ。全体的にボディの体積も大柄になっており、白熱してハードな操作を行った場合にも、安定したプレイができる。

重厚で安定感のある筐体。天板はつやのある風合いに仕上げられている

ゲーマー向けの製品ということで特筆すべき要素としては、SteelSeries製のキーボードが本体に搭載されているという点が挙げられる。SteelSeriesはキーボード、マウス、ヘッドセットなどの周辺機器を多数リリースしているメーカーで、コアなPCゲーマー向けのデバイスベンダーとして定評がある。同社とのコラボレーションで、ノートPCへの搭載が実現した今回のキーボードは、耐久性が高いだけでなく、複数キーの同時押しに対しても、入力の取りこぼしが発生しにくい優れた性能を有している。

コアゲーマーから支持されるゲーミングデバイスメーカー・SteelSeriesとのコラボレーションで搭載されたキーボード

また、ゲーム中に誤ってWindowsキーに手が触れ、ゲーム画面からフォーカスが外れてしまうという経験をしたユーザーは少なくないと思われるが、本機ではWindowsキーがスペースキーの右側に配置されており、誤操作を抑えている。そのほか、ブルーLEDを用いたキーボードバックライトを備えており、暗い場所での操作をサポートするとともに、デザイン上のアクセントにもなっている。

オンラインゲームで使用することの多いCtrl・Altキーに近いWindowsキーは、誤って触れてしまうことが多いが、本機ではスペースキーよりも右に移されており誤操作を少なくしてくれる

ブルーLEDのキーボードバックライト。まぶしさを感じさせず暗い場所での操作を適度に助けてくれる

ゲームをプレイする場合は、マウスなど外部コントローラーを接続することがほとんどだが、内蔵タッチパッドもボタンのクリック感はなかなか良好

本体を一目見てわかる中では、キーボード奥の左右端に設けられたスピーカーも目を引く点だ。これにSound Blaster Cinema対応のサウンド機能が組み合わせられている。ノートPC内蔵スピーカーなので小型ではあるが、本体の周囲から音が聞こえるような広がりのある音質を実現しており、音量を上げても音割れは感じられなかった。Sound Blaster Cinemaには、MP3コーデックなどの圧縮処理によって失われたダイナミックレンジを補完する「SBX Crystalizer」をはじめとする高音質化技術が搭載されており、効果の深さをユーザーが自分で調節することも可能だ。

赤いリングがシルエットの内蔵スピーカー部分。筐体底面にはサブウーファーも搭載

Sound Blaster Cinemaの各種高音質化技術を利用できる

目に優しいノングレアの15.6型フルHD液晶搭載、最大4画面表示に対応

従来機種に引き続き、ディスプレイはフルHD(1920×1080ドット)表示に対応した15.6型。最近のノートPCでは光沢タイプの液晶ディスプレイを搭載している製品が多いが、G-GEARのノートPCでは光の映り込みが少ないノングレア(非光沢)タイプの液晶を採用している。確かに、写真などを表示したときの色の鮮やかさでは光沢タイプのほうが有利だが、一瞬の見間違いも防ぎたいゲーミングシーンにおいては、周囲の照明などが表示の邪魔をしないノングレア液晶のほうが、理にかなっているといえるだろう。

そして、本体背面にはHDMI、D-Sub 15ピン(アナログRGB)、Mini DisplayPortと3系統のディスプレイ出力を備えているのも特徴的だ。実際にこれら3ポートに外部ディスプレイを接続(DisplayPortにはDVI変換アダプターを装着)してみたところ、本体内蔵ディスプレイとあわせて合計4画面の同時表示が可能なことを確認できた。ゲームをプレイしながら、攻略サイト等の関連情報やチャットツールなどを別ウィンドウで表示したい、というニーズは少なくないと考えられるが、本機であればメインのゲーム画面はフルスクリーンで表示しつつ、さらに最大3枚の画面をワイドに使用することが可能だ。ノートPCでありながら、外付けのディスプレイアダプタなど、特別なデバイスを用意しなくてもケーブルだけで充実したマルチディスプレイ環境を構築できるのは大きなメリットだ。

HDMI、Mini DisplayPort、D-Subの3系統のディスプレイ出力を同時に利用可能

NVIDIAコントロールパネルからマルチディスプレイの配置などの設定を行える

4枚のディスプレイが同時に認識されている

ミラーリングではなく、本体を含め4枚の画面に別々の内容を表示できる

ユーザーによるストレージの交換などはメーカー保証外なので、これは参考情報だが、本体底面のカバーはネジ数本を外すだけで開けることが可能で、2.5インチドライブベイなどには比較的簡単にアクセスできる。あくまで自己責任にはなるが、知識のあるユーザーなら、将来的により大容量のHDDやSSDなどを搭載することも可能だろう。

底面カバーを取り外したところ。あくまでメーカー保証外ではあるが、2.5インチドライブベイに取り付けられたHDDなどにも簡単にアクセスできる

カバーを外したついでに内部を見てわかる通り、CPUとGPUのそれぞれからヒートパイプが伸びており、両方を1基の大型ファンで冷却する構成になっている。熱気の排出口は左奥の角にまとめられているので、本体周辺の障害物などと干渉しにくく、設置場所も選ばない。また、キーボード上には「クーラーブースト」機能のオン/オフボタンが用意されており、これをオンにすると常にファンが最速で回転する。オンにすると動作音は大きくなるが、フルパワー動作が長時間続く場合も安定して高いパフォーマンスを得られるので、大人数でのボス攻略戦など、重要なシーンで熱のために画面がもたつくといった心配がない。

CPU(中央下)とGPU(左上)のそれぞれからヒートパイプが伸び、共通のファンで冷却する

本体内で熱を持った空気は、左奥の角に設けられた排気口から外へ出る

特に強い冷却力が必要なときには、クーラーブースト機能をオンにするとファンがフル回転する