みなさんこんには。節約アドバイザーの丸山晴美です。前回から始まった連載『丸山晴美の節約道場! 年100万円貯めるためのマネーテクニック』では、Q&A方式で、年間100万円を貯めるテクニックを紹介していきます。今回は、節約するための王道であると同時に、難関とも思われている「家計簿」についての質問です。


【Q】年末が近づいてきて書店に家計簿が並ぶようになってきました。お金を貯めるには「家計簿」が大切とよく聞きますが、本当でしょうか。付けるのが面倒くさいと思ってしまいます。何か良い方法はありませんか?また、家計簿を選ぶコツを教えてください。


【A】節約生活とセットと考えられているものと言えば「家計簿」ですが、家計簿と聞いただけで、「とにかく面倒くさそう」「やっても続かない」「付けてもその効果が実感できない」、また、「付けてはみたものの挫折してしまった」などという意見や体験を多く聞きます。

とは言え、ただ頭の中だけで、口座の残高がいくらで、これから支払うものがあれとこれと…と考えているだけでは、ただのどんぶり勘定となることは明らかでしょう。

家計管理で大切なことは、「お金の流れを知る」ことです。どこへお金が流れて行っているのかを知ることができなければ、どこを節約するべきか気づくことができないまま、時とお金を無駄にしてしまうことにもなりかねません。

家計簿付けで失敗している人の共通する点として挙げられる特徴としては、以下のようなものがあります。

  1. お正月から家計簿を付け始めている

  2. 予算が厳しすぎる

  3. 記入する費目が多すぎて付けるのが面倒になってしまった

  4. 予算が足りなくなると書きたくなくなる

  5. 1円でも合わないと嫌になる

  6. 特にお金が貯まったと実感できない

「給料日から次の給料日の前日まで」を"お金の1カ月"に

まず、家計簿を付け始める時期ですが、お金の1カ月は、「給料日から次の給料日の前日まで」をお金の1カ月として付けると管理をしましょう。給料日でもない、年末年始でお金もかかる1月1日に書き始めたのでは、3日坊主になっても仕方がありません。

また、家計簿はみな同じというわけではありません。どれが付けやすいかしっかり中身を見て決めましょう。私自身も節約を始めた際、市販の家計簿を購入しようといろいろと中身を見て検討をしたのですが、どれも記入する項目が多すぎて、付け続ける自信がなくなってしまったこともあり、結局は大学ノートで済ませました。

そして予算内にやりくりできていれば、端数程度の誤差は気にしないのも、続けるコツだと思います。

「お金の流れ」と「生活費がいくら使えるのか」を知るには?

お金の流れと生活費がいくら使えるのかを計算するにはこの式が便利です。

「収入-(固定費+貯蓄+公共料金の予算+保険料など)=生活費」
※ 固定費=家賃や住宅ローン、習い事など毎月決まった金額を支払うもの
※ 貯蓄=財形、積立など
※ 公共料金=電気、ガス、水道、通信など
他、保険料など他に支払う予定のあるもの

お金の流れを整理するための表

このようにお金の流れを整理しておくと、家計簿はとても付けやすくなります。ただ単に日々の使ったお金を記入するだけのものは、お小遣い帳と分けて考えましょう。

節約の成果や、月々何にいくら使っているのかを知り、今後いくら必要なのかといったライフプランを立てる際も、家計簿はとても役に立ちます。

家計簿を購入する際は、お金の流れがひと目でわかり、記入するスペースや数が少なくないか、記入する項目が細かすぎないか、自分のライフスタイルに合っているのかなど、総合的に判断して計簿を選ぶと失敗が少ないのではないかと思います。

執筆者プロフィール : 丸山 晴美(まるやま はるみ)

外国語の専門学校を卒業後、旅行会社、フリーター、会社員、コンビニ店長へと転職。22歳で節約に目覚め、年収が350万円に満たないころ、1年で200万円を貯める。26歳でマンションを購入。2001年に節約アドバイザ―として独立。ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザーの資格を取得し、お金の管理、運用のアドバイスなどを手掛け、TV、雑誌などで幅広く活躍している。