11月8日にアマゾンジャパンがスマートスピーカー「Amazon Echo」を国内発表した。同時に、音声アシスタントの「Amazon Alexa」も日本語に対応。米国のスマートスピーカー市場を牽引するアマゾンが、ついに日本上陸を果たした。
国内のパートナーは100社以上を発表しており、日本でも本格的にAlexaのプラットフォームを立ち上げる構えだ。各社から参入が続くスマートスピーカーだが、果たしてアマゾンは「本命」といえるのだろうか。
狙いは音声アシスタント「Alexa」の拡大
「Amazon Echo」は音声で使えるスマートスピーカー製品だ。「アレクサ、今日のニュースは何?」などと呼びかけると、合成音声がニュースを読み上げる。これを実現すべく、クラウドで音声認識や自然言語処理を担う音声アシスタントが「Amazon Alexa」になる。 米国のスマートスピーカー市場ではアマゾンが7割のシェアを占め、2017年の出荷台数は1000万台を超えるとの予測もあるほどだ。だが、音声認識や読み上げの能力自体は、すでに日本で発売されたグーグルの「Google Home」と大差がない。
アマゾンの優位性はパートナーの数だ。Alexaで利用できる「スキル」は国内100社から265種類が提供される。すでに米国では2万種類以上のスキルが公開されている。音声認識や自然言語処理の難しい部分はAlexaに任せることができるので、自社サービスを呼び出すためのスキルを作る企業が急増したのだ。
スキルは、スマートフォンのアプリのようにストアで公開されている。たとえばJapanTaxiが提供する「全国タクシー」のスキルを入れると、音声でタクシーの手配ができるようになる。
さらに、Alexaに対応したスマートスピーカー自体も作れるため、オンキヨーやハーマンなどが製品を発表した。いわばEchoの競合となる存在だが、自動車や冷蔵庫などにAlexaが搭載されれば、Echoを使わずともクルマやキッチンから直接Alexaを呼び出せるようになる。
アマゾンとしてもEchoを売ることが目的ではなく、Alexaを使うパートナーを増やすことを優先していることがうかがえる。