iPhone 8/8 Plusと同じく22日に販売が始まるApple Watch Series 3。今回発売されるモデルは、LTEでの通信が可能となった。進化のスピードを加速させて姿を現した最新モデルの強化ポイントをざっと見ていこう。

Apple Watch Series 3

正面

背面

正面向かって右側面

正面向かって左側面

真っ先に挙げなければならないのはApple Watch単体で通信機能を備えたことだろう。iPhoneが手元に無くても通話ができ、メッセージやメールの送受信が行える。ちょっと買い物に行くなんて場合はiPhoneを手放しても大丈夫なのだ。これまでも、Apple Watchから通話をしたり、メッセージを送信したりといったことはできた。だが、それはあくまでiPhoneのコンパニオンデバイスとして利用が可能であっただけの話で、Bluetooth圏外になってしまうとそれらの機能は使えなくなってしまっていた。タイマーやリマインダーを設定する際、Siriを使うにも、iPhoneがインターネットにつながっていて、かつ、iPhoneとBluetooth圏内にある必要があった。通知の機能も含めて、Apple Watchがセールスポイントとしていた機能の多くは、iPhone依存度が高かった感があったのだが、そこから解き放たれたのである。セルラー機能を積んだApple Watchは、iPhoneの電源が落ちてたとしても、前述の各種機能が利用できるようになるのだ。

LTEモデルであることを示す、デジタルクラウンの赤いポイント。エディ・スリマンがディオール オム時代に手がけた「シフル・ルージュ」を彷彿とさせる

通話機能では、スピーカーの音量が大きくなり、手首に向かって話した後、相手の言葉を聞くのに手首と反対側の耳にApple Watchをあてなければならなかったが、AirPodsやBluetoothヘッドセットが無くても大丈夫になっている。通話機能は今回のアップデートの目玉のひとつと言えるが、例えば生命を脅かされるという危険な状態に置かれた時などで、命を救うなんてことがあるかもしれない。Apple Watchがあったおかげで助かったなどというニュースは海外から流れてくることが何度かあったが、今後、そういった報道が増えるのかもしれない(増えないほうが良いのだが)。ともあれ、さまざまな局面で、iPhoneがなくても安心な時間が長くなるのは間違いない。

AirPodsで電話をとるのが楽だが、ナシでもいける

個人的に嬉しいのはApple Musicのストリーミングに対応することがアナウンスされたことだ。これは先頃販売が終了したiPod nano、iPod shuffleの代役を立派に務めるどころか、それらを越える存在になる。だって、聴ける曲は4,000万曲以上なのだ。iPodはそのコンパクトさ、扱いやすさが魅力の製品だったが、記憶媒体の容量には限りがあった。ストリーミング再生が可能なApple Musicでは、通信量はともかく、保存の空き容量を気にする必要もない。

これまで筆者は毎晩Apple Watchを純正の磁気充電ドックに乗せ、プレイリストを変更して同期させランニングに出ていたのだが、その同期の時間も省かれるようになる。一度に一つのプレイリストしか同期できなかったから、違う曲を聴きたいとなったら、それを更新しなければならなかったのだ。しかも、その同期には、結構な時間がかかり、イライラする場面もあったのだが、それから完全に解放されるのである。Apple Watchをセットアップしたら、「最近追加した項目」「お気に入り」や、最もよく聴いている音楽の同期が勝手に始まっていて、非常に驚いた。