ゲーム開発者向けカンファレンス「CEDEC 2017」(9月1日まで)は、日本国内外のゲーム業界関係者が集う年に1度の情報共有の場。したがって講演形式のセッションが多くなるのだが、会場内で展示会のような感覚で披露される製品などもある。

なかでも参加者の注目をひときわ集めていたのが、砂がまるで湯のような感触になる「流動床インターフェース」だ。写真ではイマイチ伝わりづらいので、動画を見てほしい。

流動床インターフェース

スイッチのオン/オフだけで、温かい液体のような感覚の砂が瞬時にふつうの砂場に変わってしまう。魔法のような仕掛けだが、装置の内容は砂、容器、そして送風機(エアーコンプレッサー)と大変シンプルで、砂場に下から送風しているのだという。

現場でも問う人は多かったが、特別な仕込みをした砂ではなく、ふつうの砂だ。加えて言えば、お湯のように感じるのは送風機が熱を持っているためで、お湯と感じさせるための演出をこらしているわけでもないそうだ。

「流動床」自体はもともとあった技術で、大型のごみ焼却炉など産業用途で利用されているものだ。「流動床インターフェース」は、それをエンターテインメント分野で活用できればという狙いで作られた。

触ってみると、ややとろみのあるお湯のような感じを受けた

送風機のスイッチを切れば、数秒でただの砂場に

会場にはふたつの流動床インターフェースが設置されていたが、開発者のものつくり大学 的場やすし 非常勤講師によると、そのうちひとつは今回の展示のために作り足したものだとか。家庭用の衣装ケースと送風機で作られている。

この「流動床インターフェース」は、この夏行われた「サマソニ」の企業ブースで初めて公開利用され、ボート体験アトラクションに用いられた。こうした企業利用や、一般の人でも参加できるような展示機会は今後あるかと的場氏に尋ねたところ、現状はまだ公開できる情報はないものの、動きはあるとの回答だった。

的場氏が今回のために作った「流動床インターフェース」の装置

慣れ親しんだ砂の思わぬ挙動に足を止める人は後を絶たず、多くの開発者たちを童心に返らせていた。筆者自身、撮影が終わってからも、つい何度も手を出し入れしたり、ボールを沈めてみたりしてしまった。

CEDECは業界向けカンファレンス、すなわちビジネスの場だが、このエリアは面白い現象に出会い、興味を向けるクリエイターたちのワクワクした空気に終始包まれていたように思う。CEDEC出展によって、「流動床インターフェース」を使った新しいエンターテインメントの芽が育つかどうか、注目していきたい。