20代のビジネスパーソンを対象にしたイベントが29日、都内で開催された。テーマは「知っておきたいお金の話」。お笑いコンビ、キングコングの西野亮廣さんをゲストに迎え、お金との向き合い方についてパネルディスカッションなどが繰り広げられた。

「知っておきたいお金の話」をテーマにしたイベントが29日、都内で開催。キングコングの西野亮廣さんがスペシャルゲストに迎えられた

人は何を買い、何を買わないか

西野さんは現在、絵本作家としても活躍中。今年1月には自作絵本「えんとつ町のプペル」をインターネットで無料公開したことでも話題になった。西野さんによれば、同作品は完成まで4年半もかけたという。労作を無料で公開した狙いについて、自ら説明した。

絵本作家としても活躍中の西野さん。「えんとつ町のプペル」は今年1月、インターネットで無料公開された

芸人が片手間で描くのではなく、やるからにはウォルト・ディズニーを倒す積もりで描く、そんな意気込みで始めた絵本作家の仕事。プロの絵本作家に勝てる要素を考えたところ、才能、センスでは負けるが、1つの作品を仕上げる時間の長さなら勝てると考えた。「自分は、絵本の売れ行きを生活の糧にしていない。だから10年だって時間をかけられる」と西野さん。そこで2年半をかけて描いた最初の作品だったが、3万部しか売れなかった。続く作品も3万部止まり。この間、テレビの世界ではウーマンラッシュアワー、ピース、ノンスタイルといった同期が活躍し始めた。

「オルゴールワールド」(2012年11月9日発売、幻冬舎)など、過去の作品がなぜ売れなかったのかについても考察した

改めてお金と正面から向き合った。「人は何を買って、何を買わないのか頭の中で整理した。CDや本が売れなくなった。作品が、あまり買われなくなった。一方で水やお米、パンなどの必需品は買われる。しかし考えてみると、旅先ではお土産が売れ、身近なところでは演劇のパンフレットなども売れている。そこで気が付いた。人は、思い出にはお金を出す。お土産や演劇のパンフレットは、記憶を思い出す装置として売れている」。

そこで西野さんは"自作の絵本をお土産化する"ことを思い付いた。