ニコニコ超会議での「JAL CAが踊ってみた」を観ながら、「JALもいろいろなことにチャレンジしているな」と感じた人も多いだろう。しかし、JALのCAたちは30年以上も踊り続けていることをご存知だろうか。昭和61(1986)年に結成されたチアダンスチーム「JAL JETS」の舞台裏に迫ってみた。
先輩たちの想いを引き継ぐ衣装
まずはJETSの最新動画である、「ニコニコ超会議 2017」の「【JAL】客室乗務員と岡本さんが『バタフライ・グラフィティ』踊ってみた」を観ていただきたい。超会議出展3年目の2017年は、JETSや2016年から引き続き話題を集めているWeb販売部の岡本さんのほか、新しいJAL社員も登場し、"JALチーム"としてパワーアップした動画となっている。
動画でJETSメンバーが着用しているユニフォームは、約10年前にJETSの先輩社員が製作したもの。冒頭の通り、JETSは昭和61年に結成され、2016年度で結成30年を迎えた。そんな歴史の中で、先輩たちの想いを引き継ぐ意味でも、このユニフォームを着て出演したという。チアらしくかわいく元気なイメージのユニフォームは、観ている側のテンションも上げてくれる。
全員が現役CA! ダンスに甘えなし
JETSはそもそも、JALの民営化(昭和62(1987)年11月)に向けて、企業PRの一環として明るく健康的なイメージ作りのため、客室乗務員主体のドリルチームを結成したのが始まりだ。JETSの活動が会社のイメージアップにつながり、広報宣伝の観点からも有効であることから、強化育成を行いながら活動を続けてきた。
メンバーは総勢12人で、全員が現役客室乗務員。普段は国内線/国際線で乗務しているほか、中には訓練部に所属し教官業務に就いている部員もいるなど、それぞれがさまざまな環境で日々業務に励んでいる。現役メンバーのダンスに関するバックグラウンドもさまざまで、チアダンスやチアリーディングはもちろん、バレエ、ジャズ、ヒップホップ、ロックなど多岐にわたっている。
乗務スケジュールが確定した後、部員それぞれがフライトの合間や休みの日で練習できる日を調整し、月に3回程度の練習日を設定。普段はJALの訓練施設の一角を活用し、予定の合うメンバーで切磋琢磨しながら練習に励んでいる。また、3カ月に1回のペースで、朝から晩まで1日かけて、コーチを呼んでの合同練習も実施している。
イベント出場やPR活動が近い時には練習回数を増やし、本番に向けて調整を実施。それが本当に"魅せる"演技なのかを部員同士でチェックし、技量向上のためのアドバイスをしあいながらイベントに臨んでいるという。「本業は客室乗務員だから……」という甘えはないようだ。
チアスピリットを胸に今日も舞台に立つ
JETSの活動を通じて、日々感じることを副キャプテンの住谷友理さんにうかがったところ、「私たちはPRとして社内外ともにさまざまなイベントに出演させていただいています。いろいろな部署のJAL社員がそのイベントを成功させ、『JALを盛り上げよう』『お客さまによろんでいただこう』と、一丸となって取り組む姿を見ると、普段は出会うことのない人とのつながりやチームワークを強く感じます」とのことだった。
部員はみな、「踊ることが大好き! 」という気持ちで集まっているものの、イベントに出演する度に会社の看板を背負ってることを実感するという。イベントに来場する人に対し、「JALとして感謝の気持ちが伝えられたら」という想いで、日々挑んでいる。
今後の活動としてはまず、4月29~30日に開催される「ニコニコ超会議 2017」でのパフォーマンス披露があり、その後もさまざまな場で活躍を予定している。キャプテンの秋田保乃佳さんからは、「常に笑顔で人々を応援し続けるというチアスピリットを胸に、JALをご支援してくださっている皆さまに、感謝の気持ちをお伝えしつつ、今後も私どものできる精一杯のパフォーマンスを披露していきます」というコメントをいただいた。地上で華麗に舞う、しなやかな客室乗務員たちの活躍にも注目したい。