【レポート】

これが日本のものづくり力 - 新たなものづくりの考え方のもと、電子機器デザインのゼネコンを目指すOIDS

1 Xilinxが日本で唯一、技術力を認めた企業

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日本で唯一の技術職人集団

これが作れれば、きっと売れるに違いない。誰しも1度や2度は、ビッグビジネスになるに違いないと思えるアイデアが頭の中に浮かんできたことがあるはずだ。だが、そうしたアイデアを、実際にモノにしようとすれば、エレクトロニクスやメカトロニクス、そしてソフトウェアといったさまざまな技術が必要であり、そんなものは今の自分や会社にはないからあきらめよう、という想いに至って、結局、アイデア倒れで終わる、という経験をしたことがある人も多いことだろう。

そんなアイデアを、実際のモノとして具現化する手助けをしてくれる設計受託サービスを展開している企業が群馬県高崎市に存在する。OKIアイデイエス(OIDS)という名の従業員数100名ほど(派遣社員含む)の小さな会社なのだが、実は同社、FPGA最大手のザイリンクス(Xilinx)が日本で唯一、同社のアライアンスプログラムの中において、品質、ビジネス、および技術的なプロセスに対してもっとも高いレベルの適正とそれに伴う責任を保持していることを認めた「プレミアメンバー」に名を連ねるほどの実力を有している隠れた技術職人集団なのである。ちなみに、プレミアメンバーそのものも2017年3月時点で世界で9社しかないことを付け加えておきたい。

OIDSの本社が入っているOKI高崎事業所。ここには親会社のOKIやOIDSのほかにも、MFPなどを手がけるOKIデータやOKIソフトウェア、OKIプロサーブ、沖ウィンテックなども入居している

元々同社は社名のとおり、OKIグループの会社として、OKIブランドの仕事を多く請けていたが(前進の沖情報システムズ時代を含む)、OKI本体が事業の選択と集中を進めていく中で、年々、その割合は減ってきており、現在ではOKIのEMSグループの一角として、一貫した設計受託開発サービスを担う存在となっている。OIDSの代表取締役社長を務める穴田則明氏は、「FPGAの中にCPUコアが搭載されるようになると(Xilinxが提供するAll Programmable SoC「Zynq-7000」はARMコアを搭載している)、価格次第だが、何でもできるようになってきた。そうすると開発そのものはハードとソフトの両方を見る必要がでてきて複雑になる。我々は、FPGAを深く知っている技術者だけでなく、ファームウェアを手がけてきた技術者も在籍しており、そこが強みとなっている。特に最近は、ソフトウェアやドライバ関連での人手が不足気味になっている」と、FPGAを用いた開発に精通した人の存在が自社の強みであることを強調する。ここ最近の動きとしては、Zynqを多くの人が使いこなせるようになってきたので、設計そのものは顧客側で行ったものの、上手く動かないので、解析をお願いしたい、といった案件も増加しているという。

OKIのEMSグループのサービスモデル。Advanced-M&EMSのMはMechatronicsの頭文字。グループ企業として情報交換をしたり、設計部隊を有していないところに変わってOIDSが設計を担当したりといった、リソースの融通は柔軟に行っているとのこと。今後は、技術そのものの交流を進めることで、さらなるAdvancedを目指したいという (資料提供:OIDS)

案件の増加に対しては、「従業員の約8割が開発部門に在籍しており、そのうち半数が組み込みソフトのエンジニア。FPGA専任も11名いる。現在の仕事の増え方を考えると、もっと増やしたいという思いもあるが、技術者は育成に時間がかかるし、なおかつ高崎まで来てくれる人が居ない。東京や神奈川あたりには人材が多く居ることはわかっているので、もう少し仕事が増えてくれば、そちらにサテライトを設立することも考えたいとも思っているが、実際には開発の1部だけど切り出して、外部にお願いするという訳にもいかないレベルの高い仕事をやらせていただいている関係から、なかなか上手い具合にはいかない」と同氏は社長という立場からのジレンマを語る。

OIDSのFPGA開発のビジネススキーム。Xilinxのほか、IPパートナーや開発パートナー、半導体商社などと密接に連携を取り、顧客が求める製品を実現する (資料提供:OIDS)

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目次
(1) Xilinxが日本で唯一、技術力を認めた企業
(2) 先端技術を使いこなすために重要な人という存在


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