ワイモバイルが開催した新製品・新サービス発表会の「Y!mobile 2017 Spring」で、ある大きな変化があった。それは新商品として披露されたスマホ2機種がAndroid Oneで統一されていたことだ。Android Oneのみとなった理由を探ると同社の戦略が鮮明になる。

新スマートフォンとして発表されたのはAndroid Oneの2機種のみ。理由を探るとワイモバイルの戦略が見えてくる

Android Oneとは

Android Oneはグーグルが端末メーカーと協力してスマートフォンを開発するプログラムのこと。もともと、インド、インドネシア、フィリピンなど低廉な価格の端末が普及しやすい新興国に向けたプログラムである。低廉な端末では、ソフトウェアアップデートが提供されないといった問題があり、それを解消するためにグーグルが2014年に始めたものだ。ただし、ソフトウェアアップデートを巡っては、日本も大差ないこともある。過去には、一度もメジャーアップデートを実施することなくサポートが終了してしまう端末もあった。

そうした中でAndorid Oneが日本に導入されたのが2016年だった。Nexusシリーズでグーグルとの結びつきを深めたワイモバイルが昨年7月にシャープ製のAndoroid One端末「507SH」を発売した。507SHでは少なくとも1回のメジャーアップデート、発売後最低2年間のセキュリティアップデートが保証される。期間はあるものの、ソフトウェアアップデートをの保証があるのがAndroid Oneのひとつの特徴であり、そこで涙をのんできたAndroidユーザーには、待望の端末といえるかもしれない。

日本初のAndroid One端末はシャープ製の「507SH」

Android Oneにおいて、もうひとつ特徴的なのは、余計なアプリケーションが少ないことである。S1でワイモバイル色を感じるのは、ヤフートップページへのアイコンくらいであり、ソフトウェアアップデートと端末のシンプルさが評価されて、Android One端末は好調なセールスを記録したようだ。端末スペックも、ハイエンドとは言えないまでも、防水・防塵ほか、ワンセグにも対応しており、日本向けの仕様を追加、ハードウェア的な側面からは特徴を出すこともできる。

そして、今回、ワイモバイルが発表したのは「S1」(シャープ製)、「S2」(京セラ製)の2機種のAndroid One端末のみ。将来的な端末ラインアップのあり方についても、「Android Oneに揃えていくことも、いろいろな意味でいいのではないか」(ソフトバンク Y!mobile事業推進本部執行役員本部長 寺尾洋幸氏)という。

防水・防塵ほか耐衝撃性能も備えた「S2」

もちろん"iPhoneを除いて"というのが実のところだろうが、寺尾氏が言う"Android Oneに揃えていくこともあり"という言葉には、ワイモバイルの戦略上の事情がありそうだ。