日本でも人気の「格安スマホ」市場で、楽天モバイルなど主要な事業者と組みシェアを拡大する中国ファーウェイ。世界のスマホ市場でも破竹の勢いを見せる同社の弱点は、米国展開が遅れていることだ。米ラスベガスで開催された家電見本市「CES 2017」で、ファーウェイはどのように巻き返しを図ったのだろうか。

鬼門だった米国市場に本格参入を狙う

2017年1月5日から8日まで、米ラスベガスで開催された家電見本市「CES 2017」。その基調講演に、ファーウェイのコンシューマー事業を統括するリチャード・ユー氏が登壇し、同社の最新状況について語った。

ファーウェイ コンシューマービジネスグループCEOのリチャード・ユー氏

米国でのファーウェイは、2012年に米議会からネットワーク機器に安全保障上のリスクがあると指摘され、大きくイメージダウンした経緯がある。だが、いまや世界のスマホシェアはサムスン、アップルに次ぎ、ファーウェイは三番手につけている。ユー氏が掲げる「アップルを抜いて世界第2位になる」という目標達成のために、米国市場の攻略は避けて通れない課題だ。

2016年には1億3900万台のスマホを出荷し、世界トップ3に

米国のスマホ市場で2強といえるのがサムスンとアップルだ。サムスンは家電最大手として確固たるブランドを築いており、バッテリーの発火問題が世界的に非難を浴びた「Galaxy Note7」の失敗後も、その屋台骨は大きく揺らいでいない。CES 2017でもサムスンブースやVR体験エリアは大盛況となった。

とはいえ、サムスンはバッテリー問題を完全には克服できておらず、攻めに転じることが難しい。「王者」が足踏みしている間、ファーウェイにとっては絶好のチャンスといえる。