Microsoftは2017年早期にリリースするWindows 10 Creators Updateで、デスクトップテーマ機能を復活させようとしている。Windowsストアでデスクトップテーマの配布が始まったので、Windows 10 Insider Previewを使って、その動作を検証する。

MicrosoftはWindows 10のデスクトップテーマファイルの配布をWindowsストアで開始した。本稿を執筆時点の20日夕方までに確認できたのは、「Beauty of Britain 2 by Sean Byrne」「Surreal Territory of Chuck Anderson」「Cats Anytime」「Alaskan Landscapes by Kyle Waters」「Australian Landscape by Ian Johnson」「Dogs in Winter」「German Landscapes by Mathis Rheberg」の7種類だ。

Windowsストアで公開中のWindows 10用デスクトップテーマ

Windows 10がデスクトップテーマをサポートすることは、以前の記事でも述べた通りだ。筆者はその配布開始をWindows 10 Creators Updateと同じ時期と予想していたので、このタイミングでの公開は少々意外だった。

Windowsのテーマ機能は、Windows 95時代に拡張パックとしてリリースした「Microsoft Plus! for Windows 95」がベースとなっている。それまでのWindows 3.xと違って、デスクトップをカラフルにカスタマイズできる機能に喜び楽しんだ記憶を持つのは筆者だけではないだろう。

Windows 95時代のデスクトップテーマ

さて、Windows 10は各種設定項目をコントロールパネルから「設定」へと移行している最中にある。デスクトップテーマ機能はコントロールパネルベースの「個人用設定」に残されたまま。UWPアプリケーションは既定で「%ProgramFiles%\WindowsApps」へ展開するため、アクセス権などがどのようになっているのか少々疑問だった。

早速、Windows 10 Insider Preview ビルド14986で動作を確認してみたところ、結論としてはそのままでは動作しなかった。今回Microsoftが公開したWindows 10用デスクトップテーマでは、インストール完了を示すトースト通知が現れるものの、「設定」はもちろん「個人用設定」にも変化はない。だが、Windowsストアの説明には、「desktop background pictures, colors, and sounds. To see your theme go to Settings > Personalization > Themes」とある。日本語環境だからなのかと試行錯誤を繰り返してみたが、一向に埒が明かない。

説明を読む限り「設定」の <個人用設定/テーマ> で選択するようだが……

そこで、強制的に「%ProgramFiles%\WindowsApps」フォルダーへのアクセス権を取得し、フォルダー作成日時をもとにサブフォルダーを探っていくと、デスクトップテーマを格納したフォルダーを発見した。そこには拡張子「.themepack」を持つWindowsテーマパックファイルが並んでいる。そのままダブルクリックすると関連付けされたシステムファイルにより、背景画像や配色が切り替わることを確認した。

「%ProgramFiles%\WindowsApps」フォルダー下で発見したWindowsテーマパックファイル

こちらはWindowsテーマパックファイルを適用した状態。このテーマではマウスカーソルなどの変化は確認できなかった

テーマ適用後の「個人用設定」。Windowsテーマパックファイルが登録されている

察するに、デスクトップテーマの配布を先に進め、近々リリースするであろうWindows 10 Insider Preview次期ビルドで「設定」に手を加えてくるのではないだろうか。

Insider Previewに参加していない一般ユーザーに向けても、Windows 10 Creators Updateから本機能が利用可能になるのはほぼ確実だ。Windows 9x時代を思い出してデスクトップのカスタマイズに勤しむの一興だろう。今後ユーザーが作成したデスクトップテーマをWindowsストアで販売可能にするのか不明確な部分は多いものの、まずは下地作りとしてMicrosoftによるWindows 10用デスクトップの拡充に期待したい。

阿久津良和(Cactus)