起きた瞬間「終わった……」と思うことはありませんか?

こんにちは、トイアンナです。会社勤めをしている方なら誰しも、「今日はどうしても休めないのに体調最悪」という現代のサバイバルを経験されているのではないでしょうか。

休めない皆さん、ご無事ですか?

私も外資系企業に勤務していた頃、ある朝、目を開いてすぐ「終わった……」と絶望したことがあります。重い頭に詰まった鼻、汗でぬれた毛布。間違いなく高熱だと確信しました。ずるずる布団から這(は)い出て測定した体温は、無慈悲にも38.2℃。このとき、大きな会議が3日後まで迫っていました。

激務の人は「大きな仕事が終わると体調を崩す」と言います。普段からの体調管理や、緊張した精神状態からプロジェクトの佳境では体調を崩しづらいのかもしれません。風邪まで仕事の空気を読んでくれるとは"社畜の鏡"です。

私も普段ならいきなり体調を崩すことはないのですが、折りしもその一週間前はプロジェクト明け。からの、緊急トラブル発生。休暇のつもりが戦闘配備となったため、体もついてこられなかったようです。

あと3日で新しい解決案を関係各位と調整し、プレゼン資料を作成。プレゼンの流れについて上司の合意を得て当日発表。し、死ぬ……?

働きながら生き延びる対策

ほぼ徹夜が見込まれたこのトラブル。風邪を治すことは不可能でしょうが、これ以上悪化させたら本当にヤバイ。目標を「体調維持」と低めに設定し、下記対策をとりました。

1.休憩の頻度を多くして、2~3時間に1度は仮眠する
風邪をひいている間は体力をすぐ消耗します。そこで数時間に1度、15分の仮眠をもらって爆睡。体力を温存しながら仕事を進めました。

2.家へ帰るのをやめ、会社に泊まる
家へ帰るということは、通勤時間でロスが生まれることを意味します。さらに電車内の感染者を出してしまうのも忍びない。そこで思い切って会社で寝泊まりをしました。幸いにも社内にシャワー施設と仮眠用ベッドがあったので事なきをえました。なお、会社で清潔さを維持するためのシャワーですが、風邪を治す観点からはいいのかどうか……悩ましいところです。

3.少しでも安静にしている時間を延ばす
安静とは、辞書の定義で言えば「静かに寝ていること」(デジタル大辞泉より)。デスクワークは、寝ているのと大差ないくらい動かないでいられることに気付きました。そこで顔を合わせるべき打ち合わせを「風邪をうつすと申し訳ないので」と言い訳して電話会議に切り替え、机から微動だにしない姿勢を貫きました。

4.消化のよいご飯をたくさん食べる
ここまでは主に「休む」ほうへ注力した対策ですが、栄養がなければいくら休んでも治らないだろう……ということで無理をしてでも多めに食べていました。コンビニのおかゆ、カットフルーツには大変助けられました。

ちなみに今私が住んでいるイギリスでは、風邪をひいたらトンカツなどの肉類をガツガツ食べて栄養補給をする方も多いです。胃腸のダメージが少なく食べられそうであれば、試してみるのもいいかもしれません。私もトンカツとまではいきませんが、栄養補給のために鰻の白焼きを食べます。

5.薬と栄養ドリンクを飲む
病院へ行く暇がないので市販の風邪薬を飲み、さらに風邪をひいたとき用の栄養ドリンクを補給。カフェイン抜きの商品を選ぶことで無理な負担をかけずに頑張れました。なお、これは会社の先輩の言葉ですが、「栄養ドリンクは"体力の前借り"なので、その後ぶっ倒れることを覚悟したときだけ使うべし」とのことです。

6.あえてポジティブに取り組む
仕事の緊急トラブルに体調不良が重なるのはどう考えても大変ですが、"この試練を乗り越えれば、これからどんなことも怖くない! "とあえてポジティブに考えました。事実、その後も納期と体調不良がバッティングしたことは何度かありますが、「あのときを思い起こせば」と踏ん張れています。

『働きマン』の主人公を参考にした

最後に、大事なプレゼンを控えた3日間、何度も心がくじけそうになりながらも乗り越えられたのは、漫画『働きマン』の主人公を思い出したからです。

出版社に勤める主人公は、雑誌の大型特集を任される大役のさなかに熱を出してしまいます。くじけそうになった場面で成功者の苦労談を読んだ主人公。「みんな同じように苦しんだり / 悩んだりしながら打破してきてるんだ」と感銘を受け、体調不良を乗り越えます。そこへ私も共感して、あたかも『働きマン』の主人公になったつもりで駆け抜けました。

もちろん風邪を早く治すには、これらの対策では不十分です。会社の人へうつさないためにも、本当は会社を休んだほうがいいに決まっています。けれども"社会の畜生"である以上、引けない戦もある! その後はゆっくり休んだり適切な医療を受けたりしていただきたいのですが、それでも休めないあなたのために、少しでも参考になれば幸いです。

※本コラムは個人の体験や取材に基づくものであり、医療的な効果などを示唆・保証するものではありません
※画像は本文と関係ありません

著者プロフィール: トイアンナ

外資系企業で約4年勤務。キャリアの一環としての消費者インタビューや、独自取材から500名以上のヒアリングを重ねる。アラサー男女の生き方を考えるブログ「トイアンナのぐだぐだ」は月間50万ページビューを記録。現在もWebを中心に複数媒体でコラムを連載中。