ノートPCの高性能化は年々進んでいるが、3D CADやシミュレーションなど、ノートPCよりも高い性能を要求される用途向けに、ノートPC型のワークステーションと呼ばれる製品がある。その中でも、本体の薄型化と軽量化を図ったものが、モバイルワークステーション(以下、モバイルWS)だ。
従来のモバイルWSは、モバイルとは名ばかりの大きくて重い製品が多かったが、日本HPから登場した15.6型ノートPCタイプの「HP ZBook Studio G3 Mobile Workstation」(以下、ZBook Studio G3)は、モバイルWSとは思えないほど薄くて軽いことが魅力だ。
ZBook Studio G3は、CPUやメモリ、ストレージなどの違いによって全部で3つのモデルが用意されている。ここでは、CPUに「Intel Xeon E3-1505M v5」を搭載した中位モデルを試用した。
■試用機の主な仕様 [製品名] ZBook Studio G3 [CPU] Intel Xeon E3-1505Mv5(2.8GHz) [メモリ] DDR4-2133 ECC 16GB(16GB×1) [グラフィックス] NVIDIA Quadro M1000M(4GB GDDR5 特別仕様) [ストレージ] 512GB SSD(PCIe、M.2、NVMe) [光学ドライブ] なし [ディスプレイ] 15.6型IPSフルHD(1,920×1,080ドット)非光沢 [OS] Windows 10 Pro 64bit [サイズ/重量] W375×D255×H18mm/約2kg [HP Directplus価格(税別)] 298,000円 |
---|
アルミニウムを削り出した堅牢で質感の高いボディ
ZBook Studio G3は、天板とパームレスト部がアルミニウムの削り出しで製造されており、軽さと堅牢性を両立させている。高性能なモバイルワークステーションにふさわしい質感の高いボディだ。厚さは18mmと薄く、Ultrabookの要件を満たす。重量も約2kgであり、いわゆるモバイルノートPCに比べれば重いが、十分持ち運べる範囲だ。また、落下試験や耐振動試験、砂塵試験などを含む米軍調達基準(MIL-STD 810G)の14項目という、過酷な試験をクリアしている。底面の後ろ側はメッシュ構造で、放熱を考慮して、机の上に密着しない設計だ。