PTCジャパンは2月29日、SLM(Service Life Cycle Management)ソリューション群の今後の方針について都内で説明会を開催した。

同社のSLMポートフォリオは現在、サービス情報の作成などを含む「サービスインフォメーション」、ServiceMaxと協力して提供しているフィールドサービス分野の「サービスイベント」、サービスパーツの在庫・価格の最適化などを提供する「サービスパーツ」という3つ領域に区分されている。

今後はこれらの製品群にPTCが近年注力しているIoTプラットフォーム「ThingWorx」の技術を組み込むことで、既存のソリューションには無い機能を有した「コネクテッドSLM」と呼ぶ製品群を提供していく。具体的には「Predictive Service」「Remote Service」「Connected SPM(Service Parts Management)」「Connected Field Service」「Equipment Service」のアプリケーション開発を行っていく。このうち、「Connected SPM」「Connected Field Service」ではPTCが提供しているSLMソリューションが必要となるが、そのほかの3アプリケーションに関してはPTCのソリューションが導入されていなくても使用可能になるという。

PTCのSLMポートフォリオ。ThingWorxの技術を活用してポートフォリを拡充していく。

IoTとSPMを組み合わせる

同説明会ではコネクテッドSLMの5アプリケーションのうち「Connected SPM」の概要も明らかにされた。SPMとはサービスパーツの需要を予測し、在庫管理や配置を最適化することを目指すもので、PTCのSPMソリューションはハイテクから航空宇宙・防衛産業まで幅広く活用され、平均で22%の在庫削減効果を発揮しているという。

PTCのSLMセグメント プロダクトマネジメント担当 バイスプレジデントであるスティーブン・カルドウェル氏はSPMの重要性について「サービスパーツの在庫の計画、最適化がうまく行っていないと、財務面でも大きな影響を与える。また、サービス提供の面でも問題が出て、ビジネスのチャンスを失うことにつながる」と説明する。

同社が打ち出しているConnected SPMではIoT技術を活用して運用中の装置から直接データを取得することで、高精度なサービスパーツの需要予測を実現し在庫管理や配置の最適化につなげていく。従来のCRMなど間接的な情報を活用した需要予測よりも高精度な予測が可能になるとのことで、カルドウェル氏は「(従来比で)10-20%の在庫削減効果が期待できる」との見解を示した。

Connected SPMの概要。装置から直接データを取得、分析する。