【レポート】

IoT時代の製造業に適したPLMとは? - PTCが示す「Windchill」という答え

 

米PTC PLMセグメントのディビジョナルバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーであるケビン・レン氏

PTCジャパンは2月23日、製造業向けエグゼクティブセミナーを開催した。同セミナーの最終セッションでは 米PTC PLMセグメントのディビジョナルバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーであるケビン・レン氏が登壇し、IoTが製造業に与えている影響と、発表したばかりのPLMソリューション「Windchill 11」について説明した。

製品の複雑化が企業構造にも影響をもたらす

レン氏はまずIoTについて「IoTはモノとインターネットに分かれるが、(IoTによって)インターネットはそれほど大きく変化しない。変化するのはモノのだ。」と前置きした上で「製品がインターネットに接続しスマート化していく中で開発プロセスも複雑化している。全ての機能がモノに盛り込まれているだけでなく、端末から遠隔で操作したり、一部の機能をクラウドに置いたりすることができるようになっている」とし、製品の複雑化が大きなトレンドとなっていると説明した。

また、製品の複雑化によって「社内だけでなく外部のパートナー、サプライヤーとの協業が進んでいる。同時に、全体をうまくコントロールする必要がある。IoTを活かすことを考えると新たな業務プロセス、スキーム、人材の役割が必要になってくると考えられる。」と語り、企業が構造や開発プロセスを変革する必要性に迫られていることを指摘した。

「IoTはさまざまな部門に影響を与えている。特に大きいのはサービス。現場の技術者は製品の状態が訪問する前に状態を把握することができる。製造部門にとっては、より詳細な制御が実現できるということになる。開発では、現場で動いている製品の情報を活用して次期製品の改善につなげたり、新たな機能を後から付加するビジネスモデルも可能になる。」(レン氏)

製品の進化。IoT時代では製品はシステムの一部となっている。

スマート製品のライフサイクル管理を前提とした「Windchill 11」

こうした状況の中、スマートな製品の開発を前提に開発されたのが同社の最新PLMソリューション「Windchill 11」だ。同ソリューションは、設計から運用まですべてをつなげることで製品ライフサイクルにおける「クローズドループ」を実現することを目的とし、そのために「スマート」「コネクテッド」「コンプリート」「フレキシブル」という4つのテーマを軸にした機能開発が行われた。

先日発表されたばかりの「PTC Windchill 11」のコンセプトを表す図。

まず「スマート」では部門横断的なデータ活用が可能となるような機能が開発された。具体的には、企業内での役割ごとに必要なデータを表示できるようなカスタマイズを可能とするアプリケーション「PTC Navigate」を用意したほか、製品データごとにユーザーのアクセス権限を管理できる機能を搭載した。また、検索機能「Windchill Search」では、通販サイトのUIを参考にすることでPLMに慣れていなくても欲しいデータを簡単にアクセスできるようにした。

同氏は、社内で幅広くデータを活用するというコンセプトを実現している企業としてiRobotを例に挙げた。「iRobotでは開発に直接関わっていない部門でのPLM利用が70%を占める。彼らが最初Windchillに求めたのは全ての情報を一元的に管理したいということ。プラットフォーム設計の段階からサービスまで一元的に管理したいということだった。iRobotではほぼ全ての従業員が製品・開発の情報にアクセスすることができ、製造情報をリアルタイムで確認して意思決定に活用している。」(レン氏)

次に「コネクテッド」では社内外での連携だけでな運用中の製品とWindchillをつなげる機能を搭載したほか、Windchillを同社のALMソリューションとつなげることで要件のトレーサビリティを確保した。また、「コンプリート」では製品のデータを完全にPLMの中で定義し、さまざまな役割の人が協業しながら開発を進められようにするための機能開発を行った。同氏によればBOMの作成や操作、変換、可視化などに特に注力したとのことで「社内外でのコラボレーションを容易にするソリューションにするための努力をした。」という。

最後の「フレキシブル」では提供方法に柔軟性を持たせた。Windchillをクラウドで利用したいというニーズに対してSaaS型での提供を開始したほか、サブスクリプションでの購入も可能となった。

PLMといえば大企業が導入するものという印象が強いが、Windchillでは「PTC Navigate」の実装や提供方法の拡大など、ソリューションとして運用・導入のハードルを下げる努力が続けられており、同氏はWindchillは中小企業に対しても同じプラットフォームで対応することができるとしている。また、中小企業が産業システムの中で大きな役割を果たしている日本のマーケットに対しては「日本のマーケットは非常に重要。日本でも大規模だけでなく中小規模の企業に対してもIoTを機会と捉えて、すべてのお客様をサポートしていきたいと思う。」とメッセージを送った。

「PTC Windchill 11」に対する顧客のフィードバック。

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