女性特有の悩みの1つに「膣(ちつ)のゆるみ」がある。産後の女性に多く見られるが、運動不足も原因になるため、出産経験のない若い女性も気をつけたい症状だ。今回は、膣のゆるみに悩む数々の女性を救ってきた、なおえビューティークリニックの喜田直江院長に、若わかしい膣を維持するために自分でできる「膣トレ」についてうかがった。

膣のゆるみが起きる原因

「お風呂からあがったときに膣からお湯が出る」「尿漏れ・頻尿」などの症状に心あたりのある女性はいないだろうか。これらは膣がゆるんでいるサインかもしれない。

出産や加齢、運動不足などで「骨盤底筋群」の筋力が低下することが膣のゆるみの原因に

膣のゆるみは、子宮や膀胱(ぼうこう)、直腸を支える「骨盤底筋群」の筋力が、出産や加齢、運動不足などによって衰えることが原因で起こる。悪化すると、子宮が膣から出てしまう「子宮脱」という疾患を引き起こす場合もあり、注意が必要だ。

膣のゆるみを改善するための治療法

なおえビューティークリニックでは、膣のゆるみを改善するための治療が受けられる。治療法には、膣縮小術や高周波治療、磁気治療など複数の選択肢があり、出産予定の有無や年齢に応じて最適な治療法を選ぶことが可能。

実際にクリニックを訪れる女性の年齢層も、20代から70代ぐらいまでと幅広いそう。「症状の改善のためには適切な治療が大切です。しかし、それ以上に重要なのは、予防すること。40歳を過ぎたら膣がゆるんでくるという自覚を持ち、膣トレを始めることをおすすめします」と喜田院長。

ここでの「膣トレ」とは、自宅でできる膣を引き締めるトレーニングのこと。では、1日3分でできる膣トレのやり方を紹介しよう。

医者がすすめる膣を締めるための「膣トレ」

1.足を肩幅に開いて立つ

2.ゆっくりと息を吸いながら(約5秒)、膣を引き上げるようなイメージで肛門周辺を締めていく。限界まで締めたら息を止め、締めたまま5秒間キープする

3.息を吐きながらゆっくりと膣をゆるめていき(約5秒)、元の状態に戻る

  1. 足を肩幅に開いて立つ。
  2. ゆっくりと息を吸いながら(約5秒)、膣を引き上げるようなイメージで肛門周辺を締めていく。限界まで締めたら息を止め、締めたまま5秒間キープする。
    ※トイレで尿を止めるときの感覚。
  3. 息を吐きながらゆっくりと膣をゆるめていき(約5秒)、元の状態に戻る。

まずは5セットを目安に毎日行ってみよう。個人差はあるものの、およそ1カ月前後で効果が現れ、性交渉もスムーズになる人が多いという。膣のゆるみ以外では、尿もれ・頻尿や子宮脱の予防、月経前症候群(PMS)や不感症の改善にも効果が期待できる。また、骨盤底筋群を鍛えることで、ウエストシェイプやヒップアップにもつながるという。ただし、トレーニングをやめてしまうと再び筋力は低下してしまうため、頑張って継続してみよう。

「膣トレ」専用のグッズとは

膣のゆるみで悩む女性の中には、パートナーから指摘されてクリニックを訪れる人もいる。もともと自覚がないため、クリニックの治療が終わっても、本当によくなっているのか不安に感じる女性も多いとのこと。

喜田院長は「もっと自分の体を知りましょう」と語る。そして、膣の締まり具合を確認する方法として、「バスタイムに自分の指を膣に挿入し、締まる感覚を体感してみてもいいでしょう。その際は、湯船から出て指を十分に洗浄してから行ってください」とアドバイス。

なお膣を締める感覚がわからない人は、膣トレ用の専用グッズを使ってみてもいい。膣トレグッズは「インナーボール」などの名称で販売されている。

膣が締まる感覚を自覚することも、自分の体の状態を知るうえで大切なこと。状態がチェックできれば、膣トレの効果やキープできているかどうかも確認できる。デリケートな部分なので、安全面や衛生面に十分注意して行ってみよう。

※画像は本文と関係ありません

記事監修: 喜田直江(きだ・なおえ)

2001年に京都府立医科大学卒業後、産婦人科医として多数の分娩・手術症例を経験。2003年からは形成外科医として、形成外科の基本から縫合の技術まで幅広く習得。2006年より大手美容外科に勤務し、美容外科・美容皮膚科全般において経験を積んだ。特に婦人科系の美容手術は、日本でも有数の症例数を誇る。2011年10月、東京都・銀座でなおえビューティークリニックを開院。婦人科形成医療を通して多くの女性患者の悩みを解消し、"女性であることの幸せ"を提供し続けている。