"二重メイク"が普及し、一重の人だけでなく、奥二重の人も自分の好きな二重のラインを作ることができるようになった。一方で二重メイクをする人の中には、メイクの手間やまぶたの皮膚トラブルなどを理由に、二重整形を本格的に検討している人もいるのではないだろうか。そこで、整形前に知っておきたい二重整形のトレンドについて、湘南美容外科クリニックの福澤見菜子医師に伺った。
女性では「平行型二重」が圧倒的人気
二重整形のオーダーでは、目頭はラインが隠れていて目尻に近づくにつれて二重になる「末広型二重」が以前の主流でしたが、ここ数年は、目頭からラインがはっきり見える「平行型二重」が圧倒的人気です。一重や末広型二重に比べて、平行型二重は丸くタレ目がちな目元に見せることができるので、華やかで優しい印象に映ります。20代で人気のある女優さんやモデルさんのほとんどが平行型二重であることからも、現代の日本人女性に支持されている目元ということがわかりますね。
また、平行型二重は欧米人の目の特徴でもあります。日本でもハーフのタレントさんやモデルさんの活躍が目立つようになり、雑誌などでは"ハーフ顔"に近づけるメイクの特集が組まれることも。そうした背景も、平行型二重の人気が高まった一因かもしれません。厳密に言うと、欧米人は目元のくぼみが深い(彫りが深い)ので、日本人が平行型二重にしたときの印象とは異なりますが、憧れのハーフ顔に近づくことはできるでしょう。
女優のオーダーNo.1は、石原さとみさん
二重整形前のカウンセリングでは、「○○さんのような目にしてほしい! 」と具体的な芸能人の名前を挙げる人もいます。女優の北川景子さんや佐々木希さんは以前から人気ですが、最近では石原さとみさんが2人を上回る勢い。石原さんは、親近感のあるかわいらしい目元が人気のようですね。
ただ、"理想像が多様化してきたな"という印象はあります。以前は、その時期に人気のあるアイドルや女優さんにオーダーが集中する傾向があったのですが、今では芸能人のほかに、読者モデルやブロガーの写真を持って来る人も。若い女性は、理想像となる人の二重だけでなく、スタイルやファッションなども参考にしているようです。
整形アプリで加工したセルフィーを見せる人も
二重整形を受ける女性は、普段から二重メイクをしている人がほとんど。そのため、整形でもメイクで作っている二重のラインを希望する人が多いのですが、中には、せっかくなので少し"盛る"という人もいます。
また、スマートフォンで撮ったセルフィー(自分撮り写真)を整形アプリで加工して、「このような目にしてほしい! 」とオーダーをする人が増えてきたのも近年の特徴です。やはり、ご自身の目元をもとにした画像があるとイメージがしやすいので、執刀する医師の立場としても助かりますし、整形後の満足度にもつながると思います。
「向井理さんの目にしてほしい」という男性は少ない!?
男性の場合は、二重整形の傾向は次の2つにわかれます。まず、かっこ良い目元にしたいという理由から二重にする人。その傾向は、美意識の高い男性に多く見られます。オーダーでは、ロックバンド・L'Arc~en~Ciel(ラルク アン シエル)のhyde(ハイド)さんのような平行型二重は以前からずっと人気がありますね。一方で、俳優の向井理さんのようなキレ長の二重にしてほしいという人は意外と少ない印象。向井さんのようなナチュラルなかっこ良さに憧れる男性は世の中にたくさんいても、いざ整形に踏み切ろうとする男性の間では、華やかで印象的なかっこ良さが支持されているようです。
もう1つの傾向として、一重だと暗い印象に見えたり、目つきが悪く見えたりすることを気にして、印象をよくするために二重整形を行う男性もいます。整形する時期として多いのは、就職活動前。面接などでは見た目が結果を左右することもあるといわれますから、就職活動が本格的に始まる前に整形を決意するのでしょう。
二重整形のトレンドは以上となりますが、実際に行う手術にはいくつか種類があります。例えば、目の形やまぶたの厚みなどによっても手術内容は変わってくるもの。特に日本人の目は目頭側に皮膚(蒙古ひだ)がかぶさっていることが多く、そのままでは平行型二重にするのが難しいときには、蒙古ひだを切除する目頭切開が行われます。理想の目元を実現できるように、クリニックでよく相談してみましょう。
二重整形のトレンドをまとめると、女性は平行型二重にこだわる人が圧倒的に多い一方で、それぞれが目指す理想像は多様化していることがわかった。また、男性は女性ほどの広がりはないものの、具体的な目的を持って整形に挑んでいることがうかがえる。いずれにしても、二重整形を納得のいくものにするためには、まずは整形後のイメージを明確にすることがポイントのようだ。そして、医師の専門的なアドバイスにも柔軟に耳を傾けながら、理想の目元を目指してみてはいかがだろうか。
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記事監修: 福澤見菜子(ふくざわ・みなこ)
2003年度ミス慶應グランプリで、歴代のミスの中でも唯一「専門医」の資格を持つ医師。
2006年に慶應義塾大学医学部を卒業後、同大学病院、東京大学医学部附属病院 形成外科・美容外科、大塚美容形成外科 千葉院院長などを経て、2013年より湘南美容外科クリニックに勤務。そのほか、日本形成外科学会 専門医、日本美容外科学会(JSAPS) 正会員、日本抗加齢医学会 正会員、埼玉医科大学総合医療センター 形成外科・美容外科 非常勤助教など。
医師として、正しい美容医療の普及と実現に貢献することをライフワークとし、オフィシャルサイトでも情報を発信している。