2015年5月に発表された「VAIO Pro」シリーズ新モデル「VAIO Pro 13 | mk2」の特徴のひとつに、アナログRGB端子(ミニD-Sub 15ピン)を搭載している点が挙げられる。映像出力用のインタフェースとしてはHDMI端子が現在の主流であり、D-Sub端子自体は1990年代から使われている古い規格だ。なぜいまD-Sub端子を搭載するのか、今回はそのメリットと活用法について紹介する。

ロードテスト第3回目では、D-Sub端子とHDMI端子を両方使って2台の液晶ディスプレイに接続。トリプルディスプレイ環境を試してみた

■主な仕様   [製品名] VAIO Pro 13 | mk2 VJP1321(カスタマイズモデル)   [CPU] Intel Core i7-5500U(2.40GHz)/Intel Core i5-5200U(2.20GHz)/Intel Core i3-5005U(2GHz)   [メモリ] 8GB/4GB   [ストレージ] 128/256/512GB PCIe SSD、128/256/512GB SATA3 SSD   [光学ドライブ] ―   [グラフィックス] Intel Iris Graphics 5500(CPU内蔵)   [ディスプレイ] 13.3型ワイド(1,920×1,080ドット、グレア/低反射)   [サイズ/重量] W322×D216.5×H13.2~17.9mm/約1.03kg(タッチなし)、W322×H14.3~18.9mm×D217.1mm/約1.16kg(タッチあり)   [OS] Windows 8.1/8.1 Pro Update 64bit/Windows 7 Professional SP1 32bitもしくは64bit(Windows 8.1 Proからのダウングレード)   [最小構成価格] 税別109,800円~  

意外とある、HDMI非対応の映像機器

新型の「VAIO Pro 13 | mk2」では、インタフェースとして新たに1000BASE-T対応の有線LAN端子とD-Sub 15ピンのアナログRGB端子(以下、D-Sub端子)に対応した。軽量薄型の13.3型モバイルノートPCのなかで、このふたつの端子に対応しているモデルはあまりない。

「VAIO Pro 13 | mk2」に搭載された1000BASE-T対応有線LAN端子とD-Sub 15ピン端子

D-Sub端子自体は、映像出力用インタフェースとしては旧式のものだ。だがビジネスの現場では、いまだにこの端子が広く使われている。たとえばいまは多くの液晶ディスプレイにHDMI端子が搭載されているが、数年前の格安な液晶ディスプレイではD-Sub端子とDVI端子にしか対応していないものもあった。また現在販売されているプロジェクタについても、価格の安いエントリーモデルではHDMI端子に非対応のものもある。

自社の機材はすべてHDMI端子に対応していたとしても、外出先の環境ではHDMI非対応の機材が使われていることもある。実際に筆者も取材時、そのような場面に何度か遭遇した。HDMI端子しか搭載していないノートPCではD-Sub端子に変換するアダプタが必要となるのだが、機材を余計に持ち歩くのは面倒であり、またアダプタを忘れてしまうことも少なくない。そのような理由から、いまだにD-Sub端子の需要があると思っている。

D-Sub端子非搭載のノートPCでは、HDMI端子をD-Sub端子に変換するアダプタが必要となる(写真はVAIO Z用の「VGAアダプター」)

ちなみに、2010年にインテルとAMDは、2015年までにD-Sub出力のサポートを終了すると表明している。それ以前に、VESA(PC向け映像機器の業界標準化団体)も2009年にD-SubとDVIについて2014年をメドに廃止すると表明にしたにも関わらずいまだ使い続けられていることを見ると、もうしばらくはD-Sub端子の搭載は続きそうだ。