バンド1でもキャリアごとに違いが

バンド1を細かく拡大してみてみると、実は1つのバンドが20MHzずつの3つに分かれており、それぞれのブロックがキャリアに割り当てられている。auは最も周波数帯が低いブロックの割り当てなのだが、実はこのブロック、1.9GHz帯を使うPHSとの干渉の可能性があり、日本国内で利用するには、PHS回線の保護を前提とした技適を取らねばならないのだ。

バンド1の割り当て
割り当て PHS au ドコモ ソフトバンク
周波数帯
(上り/MHz)
1884.65-1919.75 1920-1940 1940-1960 1960-1980
周波数帯
(下り/MHz)
- 2110-2130 2130-2150 2150-2170

PHSの通信チャネルが1919.75MHzまでと、auが保有する帯域に極めて近いため、回線保護が正しく行われているかも技適で確認されねばならない。

ならばPHSの保護を前提に技適をとれば、と思うのだが、SIMフリー端末は基本的にグローバル対応の端末であり、ほとんど日本ローカルなPHSのためにわざわざ対策している端末はほとんどない(iPhoneは対応している)。

にも関わらず、「バンド1を使うがPHSの保護はしない」という端末でも、「バンド1でもau回線は使わない」という条件で、技適は取れてしまう。結果的に「技適マークは取っているが、バンド1をauで使ってはいけない端末」が日本に流通することになってしまった。SIMフリー端末のほとんどが対応MVNO回線に「mineo」などのau回線系サービスを載せていない理由は、まさにこれなのだ。

mineoは自社サービスで動作確認が取れた端末の一覧を公開している。今の所iPhone以外のSIMフリー端末は表に並んでいないのだが(そして皮肉なことにiPhoneは最新のiOSでmineoに非対応なのだが)、au系のサービスを使いたい人は、こうしたページを確認しておくといいだろう。