Photoshopに「かすみの除去」など新機能を実装、Androidアプリの追加も - Creative Cloud 2015発表

アドビ システムズは16日、「Creative Cloud 2015年リリース」を発表した。今回は数々の主要アプリケーションのアップデートに加え、新しいモバイルアプリケーションや新サービスを発表した。

ここでは主に、新たに登場したストックフォトサービス「Adobe Stock」についての詳細と、デジタルイメージング製品(フォトグラファー向け製品)のアップデートについて紹介する。

フォトショやイラレ等と連携するストックフォトサービス「Adobe Stock」

今回の2015リリースで初登場となった「Adobe Stock」は、4,000万点のロイヤリティフリーの写真やイラスト、ベクター画像を有償で提供する新サービスで、PhotoshopやIllustrator、InDesignなどのデスクトップアプリケーションと連携して利用できるのが特長だ。adobe.comを通じて36カ国、13の言語で利用可能予定となっている。

画像合成のためのカンプやレイヤーが必要な場合に、適した画像やグラフィックを検索できるのはもちろんのこと、同サービスはCreative Cloud 2015年リリースのデスクトップアプリケーションに直接組み込まれているため、「Creative Cloud Libraries」に画像を追加してデスクトップやモバイルデバイスから直接アクセスしたり、チームと共有したりできるほか、透かし入り画像に適用した編集内容は、ライセンスを購入したフル解像度の画像に対しても自動で適用される。

利用手順はとても簡単で、まずは透かし入りの画像をダウンロードして試し、どのように表示されるかを確認したのち、アプリケーション内で高解像度版を購入できる仕組み。これにより、Webブラウザとアプリケーション間を行き来する必要なく、数回のクリックで完了する。

なお、サービス提供開始の段階では写真、イラスト、ベクター画像の3種類の素材が提供され、動画については今後の提供が予定されている。また、アドビが昨年末に買収(今年初めに完了)したストックフォトサービス「Fotolia」は、「Adobe Stock」とは別のサービスとして今後も継続される。また、「Adobe Stock」は素材を購入できるだけでなく、フォトグラファーやクリエイターが写真や画像を提供(販売)できる仕組みの導入も今後予定されている。

風景写真の"かすみ"を簡単に除去できる「かすみの除去」

続いては、「Creative Cloud フォトグラフィプラン」に関連したアップデートの内容について。まずは「Photoshop」の主な新機能として「かすみの除去」、「ぼかしギャラリーのノイズ追加」、「コンテンツに応じた移動ツールの拡張」、「目で見たような形で明るさを取り込めるHDR、パノラマ画像」が挙げられる。このほかにもCreative Cloud Libraries上でリンクされたアセットが、一度の編集ですべてを最新にする機能やマルチプルアートボードのサポート、新しいアセットの書き出し、Device Preview、修復ブラシツールとパスツールがCC6と比較して120倍も高速化されるなど、多数のアップデートを実現している。

これらの新機能のうち「かすみの除去」は、2015年5月に展開されたPhotoshop25周年記念イベントでも先んじて公開されていたもので、風景写真の霞(かすみ)や靄(もや)、霧(きり)などをスッキリと除去できる機能だ。これまではかすみなどを取り除く場合は「黒レベル」スライダーなどを駆使していたが、暗い部分などのディテールがつぶれてしまった。しかし2015年リリースのPhotoshopの「Camera RAW」に搭載された新機能を使えば、スライダーを左右に動かすだけでかすみだけを除去したり、あるいは増やしたりできる。

同機能は基本的に"白っぽさ"を除去するので、例えば、水族館で撮った写真に見られる"水槽の白っぽさ"を取り除くのにも有効となっている。ちなみに「Camera RAW」と「Photoshop Lightroom」のエンジンは同一なので、2015年リリースのLightroomの「現像」モジュールにも、「効果」パネル内に「かすみの除去」スライダーが用意される。