気候が暖かくなり、喉ごし爽やかなビールがますます美味しい季節。ビアガーデンなど屋外で仲間と一緒にビールジョッキを傾けて宴会を楽しむ機会も増えてくる一方で、家庭で気ままに“家飲み”を楽しむ人も多いはず。昨今では、コンビニやスーパーなどの店頭にも、大手国産ビールの商品のみならず、輸入ビールや“地ビール”と呼ばれるクラフトビールが多数並ぶようになり、消費者にとっては選択肢が増え、例えば日替わりで異なる銘柄のビールを楽しむなど、自宅にいながら多種多様なビールを気軽に嗜むことができるのも魅力だ。
そして、家庭用のビールと言えば、かつては“中びん”と呼ばれる500ml程度のびんビールが主流であったが、時代が変わり90年代ぐらいからは、その手軽さから缶ビールが主体の時代が続いてきた。しかしここに来て、コンビニを中心にびんビールを多く見掛けるようになってきた。しかも、中びんではなく、350ml前後のボトルタイプのびんビールだ。小ぶりでデザインも洗練されていて、食卓を彩るにも最適。そんな中から今回は、家庭で飲む毎日の1杯を華やかに演出してくれそうな3商品をセレクトして、紹介してみたい。
グランドキリン/グランドキリン ジ・アロマ
キリンビールが2012年に発売し、その後のびんビールスタイルのクラフトビールブームの先駆け的存在になった「グランドキリン」がこの春リニューアル。ラガーならではの上質な苦みと深みのある香りがしっかりと味わえる「グランドキリン」と、華やかな香りを飲み始めから後味の余韻まで楽しめるエールタイプ「グランドキリン ジ・アロマ」のふたつをレギュラー商品として用意する。びんには、口径33mmの広口びんを採用。口当たりがよく、香りが広がるよう設計されているだけでなく、重量140gと330mlワンウェイびんとしては国内最軽量な点も魅力。
~ザ・プレミアム・モルツ~ マスターズドリーム
サントリービールが「ザ・プレミアム・モルツ」ブランドの最上級と位置付けて3月17日に発売したラインナップ。麦芽をはじめ素材へのこだわりに加えて、独自の製法により、“深いコク”“柔らかな苦味”“ほのかな甘味”“心地よい香り”の織り成す多重で濃密な味わいが実現されている。少量ずつ丁寧に注ぎやすいなだらかな形状の小型びんを採用し、シャンパンボトルのような黒とゴールドを基調にブランドのロゴを採用したパッケージで高級感を謳う。
キリン フレビア レモン&ホップ
ビールをレモネードで割った「ラドラー」など、海外で広く親しまれている“フレーバービール”を、大手国産ビールメーカーが初めて発売した商品。ビールが苦手な人でも、好きな人でも楽しめる味覚として開発され、フルーティーな爽やかさが特徴のカスケードホップとシチリア産のレモンを選定し、麦のコクと苦味を抑えた爽快な香りや、ほのかな甘さ、キレのあるスッキリとした後味が特長。女性の手にも持ちやすい300mlの細身のグリーンの“スリムグラスボトル”を新たに開発、採用することで、スタイリッシュさを演出している(現在、取り扱いはセブン& アイグループのみ)。
最後に、びんスタイルのビールの広がりについてメーカーの担当者にも話を伺ってみた。キリンビールで「フレビア」の商品開発を担当した山崎勝弘氏は「お客様の購入理由の中では、パッケージデザインは上位を占めています。そうした中、飲み物というより、容器も含めたコミュニケーションツールとして開発したのが『キリン フレビア』です。そこで、びんの形状にもこだわり、レモンとホップの爽やかな香味を体現すべくスタイリッシュなものを作りました。ある女性ユーザーの方が『このおしゃれなびんを持つと指が細く見える』というコメントをされたのが非常に印象的です」とコメント。
味や香りなどビールとしての美味しさはもちろんのこと、スタイリッシュな見た目の印象でも個性を放つクラフトビールやフレーバービール。家飲みシーンを演出する新たなビールとして注目したい。