新しいクロスメディアプロジェクト『スナックワールド』

レベルファイブは4月7日、「妖怪ウォッチ」に関する新展開や新作タイトルの発表会「LEVEL5 VISION 2015 -THE BEGINNING-」を開催した。本稿では「妖怪ウォッチ」以外の新作タイトルについて、発表会の模様をレポートしていこう。

「人狼」にヒントを得たテーブルトーク推理ゲーム『レイトン7』がスマホに登場

発表会で最初に登場した新作タイトルは『レイトン7』。『レイトン教授』シリーズの世界観をベースにしつつ、「人狼」からヒントを得たゲーム性を持つテーブルトーク推理ゲームになるという。プラットフォームはiOSとAndroid、つまりスマホゲームだ。

人狼にヒントを得た推理ゲーム

ゲームのルールは「人狼」と似通っている。プレイヤーは「村人」や「占い師」「騎士」といった役割を割り当てられ、7名のプレイヤーの中に潜んでいる「吸血鬼」が誰なのかを会話を通して推理していく。ただし、誰がどの役割を演じているかはわからないため、例えば「自分は占い師だ」と主張する者がいても、それが真実かどうかはわからない。もしかすると、「吸血鬼」がウソをついているだけかもしれないわけだ。このあたりは「人狼」と同じだが、本作ではそこに推理ゲームとして大ヒットしたレイトンの世界観を加えることで、ゲーム性により一層厚みを持たせている。

ちなみに「人狼」は現実に会話を行うが、『レイトン7』ではアイコンをタッチするだけで発言を行うことができる。また、キャラクターは固有の「スキル」を持っており、これをどこで発動するかという戦略が新たに加わっているところも見逃せない。

本作は2015年夏のリリースを予定しており、基本無料+アイテム課金というスタイルになる。「人狼」は対面で遊んでこそ面白いという意見もありそうだが、だからこそスマートフォンというプラットフォームでどこまでアナログの面白さを再現できるのかに注目したい。

ファンタジーライフの新作はスマートフォンへ

続いて、広大な世界「ファンタジール」を舞台に自由気ままな生活を楽しめるRPG『ファンタジーライフ』シリーズの最新作が発表となった。『ファンタジーライフ2 ふたつの月とかみさまの村』は、プラットフォームをスマートフォンに移し、2015年の夏に配信が開始される。

同シリーズのコンセプトは、「ライフ(職業)」を選び、自由にファンタジーの世界で生活すること。今回も12の多彩な職業から一つを選択することができる。前作にもあったアイテムや素材の収集、釣りや料理といった要素はそのままに、新要素となる「ビレッジ」が追加。いろいろな施設を建設して、仲間たちと暮らすための本拠地を作ることが可能になった。また、単なる町づくり要素だけではなく、実際に自分が作り上げた町を歩くこともできる。

新要素「ビレッジ」

発表会では、フィールドバトルの模様も公開された。指一本でフィールドを移動し、タップで剣や弓、魔法を放って攻撃を行うアクション要素のあるフィールドバトルになるようだ。最大4名でのマルチプレイが可能だという。こちらも基本無料+アイテム課金となる。

最大4名のマルチプレイが可能

クロスメディアプロジェクト「スナックワールド」制作決定

レベルファイブのクロスメディア戦略のうまさは、何も『妖怪ウォッチ』に始まったことではない。『イナズマイレブン』や『ダンボール戦機』など、過去にも多くの作品をクロスメディア展開でヒットさせてきた。

そんなレベルファイブが、まったく新しいクロスメディアプロジェクト『スナックワールド』の制作にとりかかることが発表となった。

新たな大型クロスメディアプロジェクト『スナックワールド』

『スナックワールド』は王道のファンタジー世界を舞台にしながら、スマートフォンやコンビニといった現代の世界観をミックスしており、これを日野社長は「ハイパーカジュアルファンタジー」と呼んでいる。ニンテンドー3DSとiOS、Androidでゲームがリリースされるほか、さらにTVアニメや映画化、漫画化もすでに決定。そのプロジェクト規模は「妖怪ウォッチ級」(日野社長)だという。

また、物語中に登場する「ジャラ」と呼ばれる装備アイテムは、実際にタカラトミーから玩具として商品化が決定。玩具にはNFCチップが搭載されており、これをゲームデバイスで読み込むことで、同じアイテムをゲーム中でもゲットできる地図がもらえたり、セールが始まったりするなどの特典がもらえるという。妖怪ウォッチよりもさらにもう一歩、現実とゲームの融合を進めた形だ。

発表会では実演も行われた

ジャラをニンテンドー3DSに読み込ませるとゲーム内に反映される

するとジャラと同じ武器がゲーム内で手に入る地図がもらえるなどの特典が

ジャラは玩具として発売される

ちなみにこの「ジャラ」は欲しいものを買えるわけではなく、宝箱の形をしたパッケージを買って中身はランダムという、ガチャのような販売方法になるようだ。現実と同じくジャラでもファッションブランド展開があり、出現確率の低い高級ブランドも存在する。事実、パイロットフィルムでも、主人公がコンビニの「くじ」でジャラを購入するシーンがあった。

現実世界とゲームの融合が『スナックワールド』のポイント

キャラクターも万人受けしそうなかわいらしいデザイン

「スナックワールド」はまだ開発段階であり、どこまでヒットするかは未知数。とはいえ、クロスメディア展開に関しては、これまでレベルファイブが培ってきたノウハウが惜しみなく注ぎ込まれているという印象だ。特にNFCでゲームとジャラを連動させるアイデアには感心させられた。キャラクターもレベルファイブらしく万人受けしそうなデザインだし、現実をほどよく取り込んだ、ハードすぎないファンタジーの世界観設定もうまい。一つひとつの要素が実に練られていると感じる。

レベルファイブが仕掛ける次なる大型プロジェクト『スナックワールド』は、果たして『妖怪ウォッチ』同様、狙い通りのヒットとなるか。