これまで「ゲームが好き」と語ると、ネガティブなイメージを持たれることもあったが、ゲーム愛好者の立場がここに来て好転しつつある。「ゲーミフィケーション」に代表されるように、ゲームの有用性が認められているからだ。

The Next Webの記事「ゲームを通じて得られる現実世界のメリット(原題:The real-world benefits of playing a lot of games)」がゲームがもたらすメリットやスキルを分析している。

創造力がアップ

ゲームを通して学校では教えてくれないことを学んだというのは、作家のJunot Diaz氏とジャーナリストのMalcom Gladwell氏だ。

Gladwell氏はボードゲーム「Monopoly(モノポリー)」から関係の重要性を学んだと述べており、Diaz氏はファンタジーテーブルトークRPGの「D&D(ダンジョンズ&ドラゴンズ)」こそ、自分が文学界で成功した礎と述べているという。

「(D&Dから)物語りで重要なことをたくさん学んだ。読む側に想像の余地を与えることの大切さがわかった」とDiaz氏はNew York Timesのインタビューで明かしている。

中学生491人を対象にしたミシガン州立大学の調査では、絵を描いたり文章を書くなどの創造力が要求されるタスクとビデオゲームに費やす時間との間に相関関係があると判明している。

意思決定が上手に

ゲームの種類にもよるが、多くが意思決定を要求される。

状況を読んで、相手の動きを予測するなど、様々な計算をしながら意思決定をする。言われてみれば、確かに重要なスキルとなりうるはずだ。

感情が制御できるようになる?

ビデオゲームと暴力との関係については様々な意見があるが、テレビゲームで怒りを"処理"したり、リラックス効果があるとの結果をまとめたレポートもある。また、感情と社会の両面で柔軟性や回復力が養われるという説もあるとのこと。

1日1時間以内なら、ゲームをする子どもの方がゲームをしない子どもよりも生活への満足感が高く、社会性があり、多動が抑えられているという。

TVの代替として

Diaz氏のようにゲームから何かを学んだわけではないが、小説家のJon Michaud氏は、D&Dが一日中TVを見るという自堕落な生活を脱するきっかけになったという。勝者も敗者もないD&Dは、TV漬けだった状態から救い出してくれたとMichaud氏は分析している。

Michaud氏の例を考えると、TVや中毒的な悪い習慣を絶つものとしてゲームを利用するというのもアリかもしれない。

記事では、孤独を感じていた子どもがロールプレイングゲームの中に自分の場所を見いだすことができた例が多数あるとし、頭ごなしに否定すべきではないという見解を示している。

結論は?

ゲームは完璧ではないし万能薬でもない。

特に、子どもの発達との関係については様々な調査が残されており、注意が必要だ。時間を決めないと中毒になる危険もある。

だが、最近のゲームは社会性を養うソーシャル的な要素や、何かを成し遂げると"報酬がもらえる"といった仕掛けなどを工夫しており、教育性の高いゲームも多数登場している。

自分なりの判断基準を決めて取捨選択してはいかがだろうか?