だがApple側の反論は素早く、同ニュースが世界各地で広く報じられた21日にはすぐに声明を発表し、政府組織からの関与を否定している。Apple Insiderによれば、在米で英Financial Times記者のTim Bradshaw氏がAppleからの公式声明を自身のTwitterアカウントに掲載している

声明では、このiOSの隠し機能がデバイス診断に用いるためのもので、決してプライバシーやセキュリティ侵害のためのものではないとしている。特に企業のIT部門や開発者、Appleが技術的問題などトラブルシューティング時に必要な情報を集めるための仕組みとして利用されることがあると説明する。

この際、iOSデバイスを持つユーザーは"アンロック"する前に他のマシンが"限られた"診断データにアクセスすることを許可する必要があり、そのとき初めて情報の読み取りが可能になるということだ。Apple自身は他のいかなる政府組織とも"バックドア"構築のために共謀したことはない点も強く訴えている。

だがこうした反論に対して、Zdziarski氏はすぐにBlogへの投稿で矛盾点を指摘しており、根本的な問題は前述のように許可の有無に関係なく情報収集が可能な点で、しかもユーザーはそれを止める手段はないとしている。

関知できない部分は多いが、同氏はiOSのJailbreakにも関わってきた人物であり、元NSAエージェントとされるEdward Snowden氏からの単なるリーク話以上に踏み込んだ内容となっている。しばらくはその動向に気を配る必要があるかもしれない。