米Googleが現地25日に開催した開発者向けイベント「Google I/O 2014」。その基調講演では、次期Android OSのポイントとともに、iOSとの比較抜きには語れない発表が複数出た。今回の基調講演のポイントを押さえるとともに、気になった箇所について触れてみたい。

次のAndroidは「L」

事前に「Android Ware」を公開するなどウェアラブル路線への注力が見込まれていたGoogleだが、基調講演はAndroid関連の発表からスタートした。最初は新興市場向けのリファレンスモデル「Android one」。デュアルSIMにSDカード、4.5インチディスプレイとFMラジオを搭載するという基本仕様が、100ドル以下という低価格で提供されるという。本稿では触れる程度に留めるが、この広く・浅くという方向性はAndroidというプラットフォームに期待される一面であることは事実だ。

新興市場向けのリファレンスモデル「Android one」。100ドル以下という低価格で提供される

続いて発表されたのが「L」。その開発コード名は、Android 1.5以降は頭文字がアルファベット順の菓子名で統一されていることから、Jelly Bean、KitKatに続く「L*」という菓子の名前になると予想されていたが、基調講演では「L」と表現するに留まった。いずれにせよ次代のAndroid OSであり、5000を超えるAPIが追加されている。

Android Lの"L"に続く菓子の名称は何になるのか?

注目点はいくつかあるが、ユーザ目線でいえば「Material Design」だろう。レイヤーの概念を導入することにより、画面を構成する部品(オブジェクト)に奥行きを与えることで、フラットでありながら自然かつ見慣れた印象を与えることができるという。発表では薄い紙を重ねたような概念図のスライドが示されていたが、それがMaterial Designのコンセプトを明快にもの語っている。

「L」に採用されるUIコンセプト「Material Design」では、レイヤーの概念を導入、オブジェクトに奥行きを与えることでフラットでありながら自然な印象を出している