一眼レフに匹敵する高画質モデルや超望遠など、高級&個性派のコンパクトデジタルカメラは製品数が増え、選び甲斐のあるジャンルだ。スマートフォンからのステップアップにも最適だろう。この夏イチオシの6モデルを紹介する。

もっときれいな写真、もっとカッコイイ写真を撮る

スマートフォンのカメラ機能が格段に性能アップしたことで、日常的なスナップ撮影はスマートフォンで十分と考える人は多いと思う。一方で、SNSなどを通じて自分の写真を広く見てもらう機会が増えており、もっときれいな写真、もっとカッコイイ写真を撮影したいというニーズも高まっている。

そこで注目したいのが、高級&個性派のコンパクトデジタルカメラだ。大型イメージセンサーや高品質レンズを搭載した製品は、デジタル一眼レフやミラーレス機に匹敵する高画質な写真が撮れるようになっている。また、35mm換算で2,400mmもの超望遠レンズを備え、野鳥など遠く離れた被写体を狙えるモデルや、水深18mに耐えられる防水モデル、360度の全天球撮影に対応したモデルなど、表現の幅を広げ、デジタル写真の楽しさを堪能できる製品が続々登場している。夏の思い出を残すにもぴったりな高級&個性派コンパクトデジタルカメラをチェックだ。

キヤノン「PowerShot G1X Mark II」

一眼レフに匹敵する高画質、「星空モード」も楽しい

PowerShot G1X Mark II

デジタルカメラの心臓部とも言える、イメージセンサーのサイズが大きな特徴だ。PowerShot G1X Mark IIが搭載する1.5型の大型CMOSセンサーは、高画質コンパクト機で採用例が多い1/1.7サイズの約4.5倍もの大きさ。デジタル一眼レフやミラーレス機に搭載されているAPS-Cサイズに迫る。これにより、高画質ときれいなボケ味が得られ、表現力が格段に広がるのだ。レンズはワイド端F2.0からテレ端F3.9と明るく、35mm換算の焦点距離が24mmから120mmの中望遠ズームを搭載する。マクロ性能も高く、ワイド端で5cm、テレ端で40cmまで寄れる。花や昆虫の観察など、子ども夏休みの宿題にも重宝するだろう。また、「星空モード」もこれからの季節にぴったりだ。面倒な設定なしに星空を美しく撮影できたり、星の運行の残像動画と軌跡動画が撮影できるインターバル機能など、憧れの天体写真が簡単に撮れる。

G1X Mark II搭載の1.5型CMOSセンサーは、マイクロフォーサーズより大きく、APS-Cに迫るサイズ(キヤノンのWebサイトより)

カメラが自動で長時間撮影し、星空をきれいに写し出す星空モード。押しを強調したり色合いの調節もできる(キヤノンのWebサイトより)

センサーサイズ・方式 1.5型高感度CMOSセンサー、総画素数約1,500万画素 液晶モニター タッチパネル式3.0型TFTカラー液晶(約104万ドット)
有効画素数 約1,280万画素(アスペクト比3:2時)、約1,310万画素(アスペクト比4:3時) 撮影可能枚数 約240枚(液晶モニター表示時)、約300枚(エコモード時)
レンズ焦点距離・開放F値 12.5-62.5mm(35mm換算24-120mm)、F2.0-F3.9 本体サイズ W116.3×D66.2×H74.0mm
ISO感度 ISO100~12,800 重量 約553g(バッテリー、メモリーカード含む)
動画記録方式・サイズ MP4(H.264準拠)、最大1,920×1,080ドット/30fps 市場想定価格 85,800円前後


ソニー「Cyber-shot DSC-RX100M3」

小型ボディに1.0型センサー、ワイド端F1.8の明るいレンズ

Cyber-shot DSC-RX100M3

DSC-RX100M3は、W101.6×D41.0×H58.1mmのコンパクトなボディサイズに、1.0型の大型CMOSセンサーを搭載。ポケットに入れて持ち歩けて、高画質な写真撮影が気軽に楽しめる。ソニー独自の裏面照射型センサーが進化し、従来モデルと比べておおよそ感度1段分のノイズを改善した。もともとソニーのデジタルカメラは高感度撮影に優れているが、さらなる改良によって夜景や室内撮影のノイズを大幅に低減し、静止画だけでなく動画の暗所撮影でも画質アップに成功した。レンズは24-70mm F1.8-2.8のZEISSバリオ・ゾナーTレンズ。明るいレンズは望遠でも手ブレに強く(限度はあるが)、コンパクトながらボケ味を生かした写真が撮れる。重ね合わせ連写による最高ISO25,600相当の高感度撮影も魅力的だ。

受光面と配線の位置を上下入れ替えて、受光量を大幅にアップした裏面照射型CMOSセンサーを採用。高感度撮影でもノイズの少ない写真や映像が撮れる(ソニーのWebサイトより)

1回のシャッターで高速連写した4枚の写真を重ね合わせ、最高ISO25,600相当の高感度撮影が可能(ソニーのWebサイトより)

センサーサイズ・方式 1.0型Exmor R CMOSセンサー、総画素数約2,090万画素 液晶モニター 3.0型TFTカラー液晶(約123万ドット)
有効画素数 約2,010万画素 撮影可能枚数 約320枚(液晶モニター表示時)、約230枚(ファインダー使用時)
レンズ焦点距離・開放F値 8.8-25.7mm(35mm換算24-70mm、静止画3:2時)、F1.8-F2.8 本体サイズ W101.6×D41.0×H58.1mm
ISO感度 ISO125~25,600相当 重量 約290g(バッテリー、メモリーカード含む)
動画記録方式・サイズ MP4(XAVC S、AVCHD Ver2.0準拠)、最大1,920×1,080ドット/60fps 市場想定価格 88,000円前後


カシオ「EXILIM EX-100」

一瞬で表情の異なる9枚を撮影、上級者の表現力が指1本

EXILIM EX-100

夕景をきれいに撮りたくても明るすぎたり暗すぎたりして、見た目通りの写真が撮れずにイライラしたことはないだろうか。EX-100の2軸ブラケティング機能はこのイライラを解消し、手軽に表現の幅を広げてくれる。簡単に言うと、2つの撮影パラメーターを3段階に変化させ、一回のシャッターで「3×3=9枚」の写真を自動連写するものだ。「フォーカス×絞り」「ホワイトバランス×明るさ」「コントラスト×彩度」という3種類のオートブラケティングメニューが用意され、それぞれ風合いの異なる9枚の中から自分好みの1枚を選べる(そのほか7通りの2軸マニュアルブラケティング、9種類の1軸ブラケティングがある)。レンズは35mm換算28-300mmの光学10.7倍ズームで、ズーム全域で開放F2.8なのがポイントだ。望遠側や光の足りないシーンでも速いシャッターが切れるので、手ブレが抑えられるのも使い勝手が良い。最大1,000フレーム/秒のハイスピードムービー機能も搭載する。

コントラストと彩度を変化させることで、難しい夜景写真もイメージ通りに撮影

シャッタースピードを3段階で変化させるオートブラケティング機能もあり、スポーツや滝の流れなどで躍動感のある写真が撮れる

センサーサイズ・方式 1/1.7型正方画素高速CMOSセンサー、総画素数約1,276万画素 液晶モニター 3.5型TFTカラー液晶(約92万ドット)
有効画素数 約1,210万画素 撮影可能枚数 約390枚(エコモード時約465枚)
レンズ焦点距離・開放F値 6.0-64.2mm(35mm換算28-300mm相当)、F2.8     本体サイズ W119.9×D50.5×H67.9mm
ISO感度 ISO80~12,800(HSナイトショット時最大ISO25,600相当) 重量 約389g(バッテリー、メモリーカード含む)
動画記録方式・サイズ MOV(H.264準拠)、最大1,920×1,080ドット/30fps 市場想定価格 90,000円前後