――撮影現場での、井口監督の演出はどのような感じだったのでしょう。
終始ニコニコされていて、やさしかったです。撮影現場はとても楽しかったですよ。ほぼ女子キャストだけで進行する作品だったんですが、監督はその中でもいちばんガーリーな空気を生んでいました(笑)。休憩中、イチゴやマカロンを両手で持って食べる井口監督の仕草はまるでリスのよう。可愛いかったです。
――ダメ子はロリータファッションが定番スタイルですが、回想シーンなどでは奇抜なコスプレを披露されていますね。
髪を短くし、学ランを着て男の子になった時、若いころの父(故・中川勝彦)そっくりになったのが面白いと思いました。黒髪ショートウイッグが周囲に評判よくて、気分がよかったです。強気になれたっていうか。
――映画では、主題歌『ヌイグルマーZ』を中川さんが歌っているのも、大きな話題ですね。
『ヌイグルマーZ』はもともと大槻ケンヂさんが作られた曲があって、水木一郎さんが歌われたりしていたのを、映画化にあたって初の「女子バージョン」として私が歌わせてもらったんです。大槻さんが生でコーラスを入れてくださったのが私にとって大きくて、テンションが上がりました。そして、叫んでいるうちに暴れたくなる衝動にかられたりしたんです。ほんとうに、歌っていてとても気持ちよかったです。
――聴いているうちに、どんどんテンションが上がって来る歌だと思いました。
でも、今となっては、レコーディングしたときはまだまだかな、という感じで、その後ライブツアーでブースケのぬいぐるみを振り回しながら歌っているうちに、「てめえら、もっと暴れろ~!」みたいなテンションになっていったので、もう一度レコーディングし直したい気持ちになったんです。大槻さんがおっしゃるには、そういうのって「ロックあるある」だよって(笑)。これからも歌い重ねていきたい歌ですね。
――それでは、この映画の見どころを教えていただけますか。
この映画は私の人生のいろんな夢と大好きと、愛と希望と友情と女の子とピンクとゾンビとロリータファッションと、可愛いものと不思議なもの、素敵なものがいっぱい詰まったカオスムービーになったと思います。
――いろんなオモシロ要素が凝縮してるわけですね。
そうです。サブカルがハートの中にある人にとってはぜったいツボな映画だと思うので、たくさんの人に観に来てほしいです。
――中川さんは男性だけでなく、女性ファンも多いとうかがいました。女子にもアピールできるヒーロー映画というのは、珍しいです。
男子はみんな特撮ヒーローとゾンビが好きだと思うんですが、『ヌイグルマーZ』は女子が「共感」できる初めての「ヒーロー」だと確信しています。あっ、この映画には邦画史上最大数のゾンビが出現するという部分にも注目してほしいです。
――まさに見どころ満載の最強娯楽映画ですね。最後に、映画を観に来られるお客さんに向け、ひとことメッセージをお願いします。
悩んだり落ち込んだりしている人にこそ、観てほしい映画です。きっと元気になれますよ! ちびっ子から大人の方たちまで、幅広い世代に観ていただきたいですし、時を超えて語り継がれるような映画になってほしいと願っています。何年後かに、子どもたちの間で好きなヒーローとして『ヌイグルマーZ』の名前が挙がったら、とってもうれしいです。
(C)2013ヌイグルマーZ/フィルム・パートナーズ