エプソン、Android搭載のメガネ型HMD「MOVERIO」に新モデル - シースルーで"ながら利用"が可能に

エプソンは1月28日、メガネ型ヘッドマウントディスプレイ「MOVERIO(モベリオ) BT-200」「BT-200AV」の報道関係者向け発表会を開催した。

「MOVERIO BT-200」「BT-200AV」は、メガネ型ヘッドマウントディスプレイと、Android 4.0搭載の専用コントローラーで構成された製品。メガネ部分はシースルーになっており、メガネ越しに見える風景の上に映像画面を表示する。AndroidタブレットやパソコンとWi-Fi接続したり、Miracast対応端末の画面をミラーリングしたりするなど、外部機器と連携して映像コンテンツを楽しめる。

ウェアラブルデバイスを通じて、新しいユーザー体験を提供

エプソン販売 代表取締役社長 平野精一氏は、エプソンの長期ビジョンを「省・小・精の技術で、世界中のあらゆるお客様に感動していただける製品・サービスを届けるもの」と説明し、今回提供するBT-200/BT-200AVも同社のビジョンに基づくものだと述べた。

また、同製品のコンセプトを「映像を楽しむ、情報をまとう、仕事が変わる」の3つであると紹介し、映像コンテンツやインターネットを楽しめるほか、法人利用にも適した製品だと強調。「ウェアラブルデバイスを通じて、新しいユーザー体験を提供したい」とコメントした。

従来モデルに比べて約63%軽量化し、画面の明るさが2倍に

続いて、セイコーエプソン ビジュアルプロダクツ事業部 事業部長 渡辺潤一氏は、同製品の従来モデルからの変更点について説明した。「MOVERIO BT-200」「BT-200AV」は、ともに2011年に発売した「BT-100」の後継機。BT-100と比較して、BT-200/BT-200AVは本体重量を約63%軽量化したほか、ディスプレイの明るさも2倍に向上した。またノーズパッドやイヤーフックの装着性を改良し、市販の度入りメガネ用にレンズホルダーを用意するなどの配慮をしている。

また、専用のアプリマーケット「MOVERIO Apps Market」を提供する。専用アプリをBT-200/BT-200AVの専用コントローラーにダウンロードすることで、ゲームやショッピングなど様々なサービスを利用可能だ。サービス開始時に約30個のアプリを配信する予定。

今回の発表会では、インターネットをヤフー公式ブラウザで閲覧できる「Yahoo!ブラウザー」アプリ、楽天の各種サービスを利用できる「楽天ゲートウェイ」アプリ、AR(拡張現実)を応用したゲームが楽しめる「マイクロロボットシューティング」アプリなどのデモが展示されていた。

BT-200/BT-200AVは、カメラ、ジャイロセンサー、加速度センサー、地磁気センサー、GPS機能、マイク入力機能、Bluetooth接続なども搭載しており、各種センサーを利用した専用アプリも順次用意される予定だ。

3年間で5万台の提供を目指す

続いて、エプソン販売 取締役 販売推進本部長 中野修義氏は、映像コンテンツやWebブラウジング、専用アプリを楽しむ「個人利用」と、必要な情報をハンズフリーで受け取ることで作業を効率化する「業務利用」の2つがターゲットだと述べ、「今後、3年間で50,000台の販売を目指す」とコメントした。

また、Google Glassやソニー製ヘッドマウントディスプレイとの差別化については、両眼かつシースルー構造であることを挙げ、飲食しながら映画鑑賞、移動中にドラマを視聴、トレーニングビデオを見ながらエクササイズなどの"ながら使い"ができる点をメリットとして強調した。