サンコーの「10枚のmicroSDカードをSSD化するキット」(55KBDSSD)は、その名の通り最大10枚のmicroSDカードを、2.5インチSATA SSDとして使ってしまう機器だ。手元で余っているmicroSDカードを有効利用できるのは、実用アイテムか、それとも人柱アイテムか…。
55KBDSSDの本体サイズはW65×D95×H6mm、重量は25gと、縦横サイズは一般的な2.5インチSATA HDD/SSDとほぼ同等だ。コネクタ部分も2.5インチSATA HDD/SSDと同じなので、自作PCならすぐに組み込める。USB接続の外付けHDD/SSDケースやSATA-USB変換アダプタを別途用意すれば、外付けSSDとして利用するのも簡単だ。対応OSはWindows XP / Vista / 7 / 8、Mac OS Xとなっている。
本体は基板だけの状態で、基板上には10基のmicroSDカードスロットが並ぶ。各スロットには番号が割り振られており(基板上の印刷で確認できる)。番号が小さいスロットから順にmicroSDカードを装着していく。microSDカード自体はユーザー側で用意し、対応するmicroSDカードは64GBまでのmicroSD/SDHC/SDXCカードだ。スピードクラス10で同一メーカー、同一容量のメディアが推奨されている。55KBDSSDのインタフェース仕様は、PCとの接続側がSATA 1.0a、microSDカードスロットがUHI-IおよびUHS-II対応だ。
同時に装着可能なmicroSDカードは最大10枚で、1枚/2枚/4枚/8枚の装着でも動作する。1枚/2枚/4枚/8枚で使うときは、上述のように、番号の小さなスロットから埋めていく。1枚ならスロット1、2枚ならスロット1とスロット2、4枚ならスロット1~スロット4、8枚ならスロット1~スロット8となる。このルールを守らないと、きちんと認識、動作しない。
microSDカードスロットは、メディアを抜き差しするタイプではない。ストッパーをずらしてロックを外し、カバー部分を開く(写真左)。コネクタ部分に合わせてmicroSDカードをセット。形状や切り欠きによって、microSDカードがぴったり収まるようになっている(写真右) |
55KBDSSDに2枚以上のmicroSDカードを装着すると、必ずRAID 0(ストライピング)動作となるが、RAID 0の設定やリビルドといった作業は不要だ。microSDカードを装着してPCに接続、OSを起動すれば、一般的なSATA HDD/SSDと同じように認識される。その後、Windows環境なら「ディスクの管理」を使って、55KBDSSDのドライブをフォーマットすればよい。例えば、64GBのmicroSDXCカード×10枚を使った場合、約640GBのSSDとして1ドライブで利用できるわけだ。
はじめは1枚や2枚のmicroSDカードで使い、あとから4枚/8枚/10枚に増量したときは、再フォーマットを行う。増量したぶんの容量を「ディスクの管理」-「ボリュームの拡張」で結合できることもあるが、今回試した限りでは正常に終了しなかった。既存のデータを別ドライブへ待避し、再フォーマット、待避したデータを書き戻す、といった操作が必要だ。
続いて、簡単なベンチマークテストの結果を紹介しよう。