シャープは10月22日、液晶テレビ「AQUOS(アクオス)クアトロン プロ」の報道関係者向け発表会を都内で開催した。

「AQUOSクアトロン プロ」シリーズは、同社独自の「4原色技術」と新技術「超解像 分割駆動エンジン」により、フルHD(1,920×1,080ドット)パネルで4K相当の高精細表示を行える液晶テレビ。80V型の「LC-80XL10」、70V型の「LC-70XL10」、60V型の「LC-60XL10」、52V型の「LC-52XL10」、46V型の「LC-46XL10」の5サイズがラインナップされる。


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シャープ、フルHDパネルで4K相当の描写を実現する「AQUOSクアトロン プロ」 (2013年10月22日)

大画面への買い換えに最適

デジタル情報家電事業本部・液晶デジタルシステム第1事業部長の戸祭正信氏

同社デジタル情報家電事業本部・液晶デジタルシステム第1事業部長の戸祭正信氏は発表会の冒頭、テレビ放送などの放送インフラで4K(3,840×2,160ドット)や8K(7,680×4,320ドット)の環境整備が進められていることを紹介。

シャープでも2013年5月に4K対応「AQUOS」をリリースするなど、メーカー側でも着々と対応が進んでいることも説明した。そのうえでユーザー側の反応として大画面への買い換え需要を挙げ、「例えば、37型から50型への買い換えでは、画素が粗くなってしまう」と、既存のフルHDモデルでは精細感が薄れることを強調した。

【写真左】4K、8Kと高精細化が進む放送インフラ 【写真右】メーカー側も高精細化を進める

ユーザー動向としては、32V型から46V型、37V型から52V型など、大画面モデルへの買い換え需要があるという

「AQUOSクアトロン プロ」シリーズは、フルHDパネルでありながら4K相当の解像感を実現する

解像感を決めるのは画素数ではなく輝度ピーク

「AQUOSクアトロン プロ」シリーズでは、同社が従来から「AQUOS クアトロン」シリーズで展開していた3原色(RGB=赤・緑・青)に黄色を加えたサブピクセルを用いる「4原色技術」を応用。さらに、新開発の「超解像 分割駆動エンジン」で、1画素内に縦横それぞれ2つの輝度ピークをもってこられるようにした。

シャープの説明によれば「液晶パネルの解像度は、画素数ではなく輝度ピークが決める」とのことだが、明るい環境で555nmの光の波長は「比視感度が高い」ということになり、緑色から黄色の光の波長帯がこれに当たる。この比視感度が高い緑色と黄色のサブピクセルを設けることで、2つの輝度ピークがもってこられるようになり、高い解像感を得られる。

「超解像 分割駆動エンジン」が「4原色技術」の能力を引き出す

1画素内に縦横それぞれ輝度ピークを設けることで"解像感"が向上する

つまり、従来の3原色(赤・緑・青)パネルでは、1画素ごとに緑色しか輝度ピークがなかったが、黄色を加えた「4原色技術」と「超解像 分割駆動エンジン」によって1画素内に縦横それぞれ2つずつの輝度ピークを設けられるようになった。これが"解像感"を向上させているということだ。

従来と「AQUOSクアトロン プロ」のサブピクセルの並び

従来型パネルとの比較イメージ

会場には従来型パネル(左)と「AQUOSクアトロン プロ」のパネル(右)の比較展示(大きな画像を見る:従来型パネル大きな画像を見る:「AQUOSクアトロン プロ」)