日本では少しなじみが薄いが、中国で大ブレイク中のデジタルカメラがある。カシオのEXILIM「EX-TR」シリーズだ。スマートフォンのようなフォルムに、自分撮りのための機能を満載している。中国の有名ブロガーが、このデジタルカメラを使って自分撮りのテクニックをブログで公開したところ、人気が沸騰。

今回は、中国で2013年5月30日に発表された「EXILIM EX-TR350」の同型機であり、日本では限定3,000台の販売と明らかになった「EXILIM EX-TR15」(以下、TR15)を半ば無理に拝借して、その魅力に迫った。TR15は、中国を除くアジア地域で2013年6月19日に発表、日本では本日7月10日に発表されたばかりだ。(別記事『カシオ「EXILIM」、自分撮り機能がアジアで大ヒットのフリースタイルカメラ』)

本記事では海外版のTR15を試用したため、液晶モニタを英語表示に設定しているなど(中国語よりは分かりやすいだろう…)、日本で販売される一般的なデジタルカメラとは仕様が一部異なる点をあらかじめお断りしておく。後半では、EX-TR15を現役女子大生の上田サコちゃんに使ってもらった率直なインプレッションを紹介しよう。

EXILIM EX-TR15

■主な仕様 [有効画素数] 1,210万画素 [撮像素子] 1/2.3型正方画素高速CMOS(裏面照射型) [レンズ] 21mm単焦点(35mmフィルム換算)、F2.8 [シャッター速度] 1秒~1/16,000秒(CMOS電子シャッター) [絞り] F2.8 [ISO感度] 100 / 200 / 400 / 800 / 1600 / 3200、オート [最短撮影距離] 8cm [LEDライト] 搭載 [液晶モニタ] 3.0型 / 静電容量式タッチパネル、約92万画素 [内蔵メモリ/外部メモリ] 約52.1MB / microSD/SDHC/SDXC [動画撮影] 最大1,920×1,080ドット(フルHD)、MOV形式、H.264映像、IMA-ADPCM音声(モノラル) [電源 / 撮影枚数] 専用リチウムイオン充電池 / 約260枚 [インタフェース] micro USB、micro HDMI [本体サイズ / 重量] 約W128.9×D14.9×H61.6mm / 約170g(電池、メモリーカード含む)

変形する本体は自立も可能。三脚いらずのスリムなボディ

TR15を初めて見た人は、これはデジタルカメラではなく、スマホだと思うかもしれない。例えば液晶モニタ面に、おなじみの十字キーやOKボタンなどが一切ない。液晶モニタはタッチ対応で、ほぼすべての操作や設定をタッチで行う。液晶モニタは回転式で、さらにその外側に可変式のフレームがある。この構造こそ自分撮りを狙ったものだ。レンズはセンターではなく本体の端に配置されている。

まず、液晶モニタを180度回転させることで、スマホ感覚で自分撮りができる。さらにフレームを外側に回すとレンズの位置が高くなり、小顔に見せる基本テクニックである、斜め上からのアングルを強調した撮影が行えるのだ。TR15では新たにフレーム外側にシャッターボタンを設けており、右手でフレームを持ったとき、自然に親指でシャッターを押せるようになった。加えて21mm(35mmフィルム換算)という広角レンズを採用してパースペクティブを強調できるため、小顔や足長効果が容易に得られる。また、全身を比較的近い距離から全身を入れて撮ったり、仲間撮りにも十分に対応可能だ。

液晶モニタ面を180度回転させることで、自分撮りに対応する

フレームは回転させるとカメラグリップになり、自分撮りの定番、斜め上からの撮影を効果的にサポートする

フレームをスタンド代わりにしてカメラを立てて自分撮りをすることもできる

現役女子大生の上田サコちゃんによるインプレッションは後半で

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