企業の販促活動に焦点をあてたサービス・製品の展示会「販促ワールド 2013」が6月26日から、東京ビッグサイトにて開幕(2013年6月28日まで)。この催しはいくつかのテーマに別れており、その一部である「第1回 店舗販促 EXPO」にて、カシオ計算機のブースではプロジェクターベースのサイネージ機器「カシオサイネージ」の新モデルが展示されていた。

小型化・軽量化を実現した、カシオサイネージの新モデル「MG-30MBPACK」

カシオサイネージは、形状カットしたパネル(スクリーン)と小型プロジェクターを組み合わせたデジタルサイネージ機器。静止画から作成したキャラクター(人間や動物、製品マスコットなど)を投映し、案内事項を音声で語らせることで、来店者・来場者に向けて強力なアテンション効果を発揮する。

プロジェクターの映像を投映するパネルは、ユーザー素材(静止画像と文字データ)をもとにカシオが作成。語りかける音声は日本語のほか、英語/中国語/韓国語/スペイン語に対応している。カシオサイネージ前面に搭載された4つのスイッチに対応させるかたちで、パネルに映し出されたボタンアイコンのタッチ操作も可能だ。

受付をイメージしたデモ展示。最大5言語の音声切り替えが可能なので、外国人の誘導やサービス案内にも利用できる。スイッチによる操作は、階層メニューにも対応する

ブースに設置されていたのは、カシオサイネージの新モデル「MG-30MBPACK」。本体サイズは約W286×D350×H110mm、重量は8.5kg以下で、一般的な店舗用の商品棚などに設置して利用できるサイズと重さ。従来モデル(約W458×D536×H187mm/約19kg)に比べ、本体サイズ/重量ともにコンパクトになった一方で、映像を投映するパネルのサイズも最大24インチと大型化している(投映パネルを含めた外形寸法は、W最大510×D350×H最大523.5mm)。価格はオープンで、発売は7月中旬以降を予定する。

家電量販店で製品を案内する用途のイメージ。本体が軽量コンパクトになったことで、店舗の商品棚に載せることが可能になった

カシオブースの担当者によると、新モデルは新たに開発された超短焦点タイプのプロジェクションエンジンを搭載したという。従来モデルから大幅に小型化・軽量化することができたのも、この新型エンジンによるところが大きいとのことだった。

新モデルのために、専用のプロジェクションエンジンが開発された

本体背面には、有線LANインタフェースを装備。これは本機をインターネットに接続するためのものだ。カシオ計算機が提供する「カシオサイネージクラウドセンター」を経由することで、カシオサイネージで表示するコンテンツをネットワークで一斉配信したり、時間帯によって配信コンテンツを切り替えたりできるという。例えば、物販業では「タイムセール」に合わせて最適な商品を訴求、飲食店では「ランチメニュー」など時間帯に合わせたサービス案内が可能になる。

このほか、本体前面には人感センサーを内蔵した。人間が近づいたときにコンテンツの再生を開始できるので、アテンション効果を高めることができるという。「よりタイムリーで効果的なプロモーションを支援できるようになった点が、新製品の特長です」(カシオブース担当者)。

背面にはLANコネクタを装備(写真左)、本体前面には人感センサーを内蔵する(写真右)。コンテンツをタイムリーに再生することで、アテンション効果を高める

さらに、前面左端に配置された3.7インチの液晶画面にはQRコードを表示でき、前面右端にはNFCチップを内蔵する。これらを利用すれば、来店者・来場者が自分のスマートフォンをカシオサイネージにかざして特典を得る、いった使い方が可能になるとのこと。担当者は「QRコードやNFCタグによって、来店者・来場者に具体的なメリットを提供できます。消費者を実際の店舗に誘うトリガーにもなりうる機能です」とアピールしていた。

本体前面の左側に配置された液晶画面には、QRコードを表示可能(写真左)。同右側にはスマートフォンと連携できるNFCチップを内蔵する(写真右)