Opera Software ASAは公式の開発ブログにて、今後のOperaのリリースサイクルを発表した。また、その直前には、「Opera Next 15」もリリースされている。本稿では、新しいOperaの紹介をしよう。
新しいリリースサイクル
まず、今回発表されたUpdate streamであるが、以下の3つから構成される。
・Opera Developer:新規機能を盛り込んだ、実験的なバージョン
・Opera Next:次期リリースのために、安定性に関わる修正を行うバージョン
・Opera(Stable):一般的な使用が可能な安定バージョン
図1 それぞれのストリームを表すロゴ(Operaの公式ブログより) |
同様の開発サイクルは、Google Chromeの「Dev」、「Beta」、「Stable」に相当するもといえばわかりやすいだろう(ちなみにFirefoxでは、Nightly、Aurora、Beta、Releaseの4つとなっている)。現時点では、β版に該当するOpera Next 15がリリースされている。今後、安定版のOpera 15がリリースされると、Opera Developer 17、Opera Next 16がリリースされると思われる。
オープンソースのChromiumベースに
今回の大きな変更点は、オープンソースのChromiumベースに開発が行われるようになった点である。従来のOperaでは、自社開発のレンダリングエンジンであるPrestoが使われてきた。早くからAcid2などにパスするなど、ブラウザのOperaとともに独自の機能などが評価をされている。今回、その開発方法に終止符を打ち、Chromiumベースに移行した。レンダリングエンジンは、WebkitからフォークしたBlinkとなる。
さて、ここでChromiumについて少しふれておこう。オープンソースで開発されるWebブラウザのプロジェクトである。ここでの成果が、基本的にGoogle Chromeに反映される。では、Chromiumとどう違うのか?極めて単純に表現させてもらうとすると以下のような感じである。
Google Chrome=Chromium+Googleブランド+RLZトラッキング機能+Adobe Flash Player
もちろん、これら以外にもGoogle Chrome独自の機能はある。この背景であるが、Webブラウザの開発競争では、やはり差別化が大きい。特にOperaのようなWebブラウザが生き残っていくには、独自機能が重要となる。一方、レンダリングエンジンについては高速化が競われ、独自開発を続けていくには負担が大きい。その労力をWebブラウザの独自機能に傾注した方が、得策との判断もあったと思われる。
Opera Next 15のインストール
では、Opera Next 15をインストールしよう。本稿執筆時点で、正式安定版のバージョンは12.15である。公式ページのダウンロードでは、安定版がダウンロードされてしまう。Opera Next 15をダウンロードするには、図2のページから行う(図2)。
図2 Opera Next 15のダウンロードページ |
図1の通り、ロゴが銀色になっている。ここで[ダウンロード]をクリックするとダウンロードページを経て、インストーラがダウンロードされる。ダウンロードしたインストーラをダブルクリックで、セットアップが開始される。
まだ、日本語化されていないが、特に難しいことはないであろう。起動したところが、図4である。
ちなみにに、安定版の12.15は、図5である。
よりシンプルになったという感じである。最近のWebブラウザのように、アドレスバーと検索ボックスが1つになった。