――河西さんは2013年5月にAKB48を卒業するわけですが、AKB48に在籍している間にやっておきたい、やり残したことはありますか。

AKB48では色々なことをやってきましたからね。やり残したことはあまりないのですが。ただ去年の秋くらいから地方で行っている握手会に参加できてないので、卒業前に全国の握手会にいけたらいいなと思っています。

――AKB48に入ったことにより、自分の人生は変わったなと思うことはありますか?

そうですね。私は一番多感な時期にAKB48に入ったので、同年代の子より美意識をもっていたと思うし、お化粧やネイルを始めるのも早かったと思うんです。だけど、地元の友達たちと二十歳のときに同窓会をしたら、そこにはもう結婚して子どももいる人がいたりして。結婚していることにも驚きましたし、子どもがいることにはもっとビックリしました。そういう仲良しな子をみていると、もしAKB48に入っていなかったから、私にも子どもがいたかもしれないなと思うんです。そう考えるとAKB48に入ったことで私の世界が変わったんだなと改めて感じましたね。

――AKB48のメンバーとの思い出で特に印象に残っていることはなんですか?

メンバーとの思い出はいっぱいあります、7年間も在籍していたので。思い出せば、きりがないくらいです。同期である2期生のメンバーたちと一緒にいると、ついつい昔話になっちゃって(笑)。いつも同じような話をして笑っているんです。そんなときに年齢はバラバラなんですけど、"仲間ってこういうものだな"と思うんですよね。仕事仲間とも違うし、兄弟や家族ともまた違った強い絆を感じるんです。家族には言えないことが言えたり、凄く深いところで繋がっている感じがするんですよ。

――そんな仲良しな同期に、AKB48卒業をカミングアウトしたときのことを教えて下さい。

私の卒業に関しては誰にも事前に相談しなかったんです。一番仲良しなともちん(板野友美)にさえ言ってなくて。だから、ともちんは「なんで、(卒業することを)言ってくれないのー」って拗ねてましたね(笑)。でも「今度ご飯一緒にいこっ」と言ってくれて。他の同期メンバーのなかには私の卒業を知って、「悲しい」と泣いてくれた子もいました。それは凄く嬉しかったですね! でも、私が今後どうしていきたいのかが決まっていることをみんな理解しているので「頑張ってね」と言ってくれています。

――卒業後はミュージカルに挑戦したいと話していましたね。

小さい頃に、初めて見たステージが「美少女戦士セーラームーン」の舞台だったんです。自分が好きなアニメでしたし、演技と歌が織り交ざっていて、とても面白かったんです。その当時は、まだ芸能界を目指していたわけではないんですけど、セーラームーンのミュージカルには出たいと強く思ったことは覚えていますね。

――その夢はAKB48に入ってからも変わらなかったと。

AKB48に入ってからも「ミュージカルをやりたい」と言っていたんですけど、なかなかスケジュール的に難しくて……。なので、卒業後はタイミングが合えばミュージカルに是非挑戦したいですね。私、お客さんの前でステージに立つことが好きなんですが、AKB48を卒業したら確実にその機会は少なくなりますよね。ミュージカルであれば私の好きな歌もできるし、演技やダンスの勉強もできる。なので、そういった点からもミュージカルは完璧なんです(笑)。

――具体的にどういったミュージカルに出たいといった希望はありますか?

ちょっと非現実的な作品に惹かれますね。演技でしかできないような体験がしたいんです。

――今回は声優としてでしたが、"女優・河西智美"として海外ドラマに出てみたいとは思いませんか?

出てみたいとは思うんですが、英語ができないので(笑)。それに海外の女優さんたちは日本人と体格から何から全部違うじゃないですか。だから、生まれ変わって出演したいなという気持ち方が強いですね(笑)。でも、まずは英語を勉強してからですね!

――ゆくゆくは海外のミュージカルへの挑戦も?

まずは第一歩として英語を勉強してから。でも"英語の勉強"って堅苦しく考えちゃうと続かないと思うので、まずはしゃべれるようになることが一番大切だと思っています。なので、海外に友達を作れば早いかなと。AKB48のメンバーのなかに、韓流ドラマが凄く好きな子がいて、その子は韓国人の友達を作って本当に韓国語を喋れるようになったんですよ!

――それでは最後にAKB48を卒業して、ソロになる意気込みをお願いします。

AKB48として7年間活動してきて、ファンの方たちとも色々な思い出があるんです。なかにはデビューしたての頃からずっと応援してくれている方もいて。ファンの方に「河西はソロになって突然変わっちゃったな」と思われないよう、「河西にはそういう一面もあるよね」と思ってもらいつつ、新たな一面も見せていきたいなと。なので、何年先もファンの方々と「あんなことあったよね」「こんなこともあったよね」と思い出話ができるような身近な存在でいたいと思っています。