「パッケージで買うか」、「Creative Cloud」を選ぶか――。月額制の「Adobe Creative Cloud」の登場によって、アプリケーションの購入&所持方法に新たな選択肢が加わったわけだが、「どちらが得か分からないから動けない」と足踏みをしているユーザーも多いのではないだろうか。

「Adobe Creative Cloud」

Creative Suite 6がリリースされてから1年。そろそろアプリケーションの移行(バージョンアップ)を考えている人も多いだろう。そこで、改めて両者の違いを紹介していこう。

※今回は、Adobe Creative Cloud個人版メンバーシップを例に挙げて紹介する。グループ版メンバーシップに関しては、Creative Cloud個人版とグループ版の比較記事を参照してほしい。

バージョンアップをすぐに利用できるCreative Cloud

パッケージ版とAdobe Creative Cloudを比較するときに引き合いに出されるのが「Master Collectionとの違いは?」という点だ。「Master Collection」とは、アドビが販売するアプリケーションのほとんどが収録されたスイート製品で、紙媒体のデザインはもちろん、Webやビデオなど多角的なマルチメディアに対してコンテンツ作成(そして配信も)を可能にする、クリエイティブワークを全方向から補佐する物だと言えるだろう。

Creative Cloudは、このMaster Collectionに含まれるアプリケーションに加え、それ以外にもメンバー限定のアプリケーションやサービスが提供される。その中には中小のデザイン事務所やフリーデザイナーがすぐに電子書籍やカタログを制作できるDigital Publishing Suite Single Editionや、Creative Suiteに先駆けてバージョンアップした「Adobe Acrobat XI Pro」も含まれる。つまり、パッケージ版ではメジャーバージョンアップでしか収録されない先行アプリケーションも、Creative Cloudでは最新バージョンへの追加投資なしに入手することができるのだ。

さらに、Creative CloudにはWebサイト構築に向けた新しいツールやサービス「Adobe Edge Tools & Services」や「Adobe Muse」、そしてクラウドストレージがあることも特長となる。こうした実験的なアプリケーションをいち早く使いたい、というユーザーにも、Creative Cloudはお薦めと言える。

Adobe Creative Suite Master CollectionとCreative Suite、使用可能なアプリケーション、サービスの違い

Master Collection Creative Cloud
Photoshop
Photoshop Extended
Photoshop Lightroom
Illustrator
InDesign
Adobe Muse
Acrobat XI Pro
Acrobat X Pro for Creative Suite
Flash Professional
Flash Builder
Dreamweaver
Edge Tools & Services
Fireworks
Adobe Premiere Pro
After Effects
Adobe Audition
SpeedGrade
Adobe Prelude
Encore
Bridge
Media Encoder
Device and PC sync
Cloud storage
Business Catalyst
PhoneGap Build
Typekit
Digital Publishing Suite Single Edition