幼少の頃、コンセントの穴にコインを突っ込んで感電した経験がある。穴があったら何かを入れたくなる性分は、大人になっても変わっていない気がする。筆者が本稿で注目した穴は、Androidスマートフォンのmicro USB端子である。
Android 2.3.4以降の一部のモデルから搭載され始めたUSBホスト機能、および一部のモデルがサポートしているMHL規格による映像出力機能で、スマートフォンの使い勝手はどのように変わるのだろうか。手持ちのHTC J butterflyで検証した模様をお伝えしていきたい。
USBホスト機能を検証
USBホスト機能を利用するために筆者が購入したケーブルは、市販の数百円のものだ。一端がmicro USB端子(オス型)、もう一端がUSB端子(メス型)となっている。注意したいのは、スマートフォンのUSBホスト機能を利用するためには、対応したケーブルを使う必要があるという点。試しに「USBホスト機能に対応する」との明記がないmicro USB - USBケーブルをスマートフォンに挿してみたが、何も反応しなかった。なお、USBホスト機能の説明に関してはAndroWireに連載中の「塩田紳二のアンドロイドなう」が詳しいので、そちらに譲りたい。
準備万端整ったところで、順次、用意したUSB対応機器をつなげて検証していく。なお接続機器間には相性というものもある。今回紹介した例は、あくまで一例にすぎないということをあらかじめご了承いただきたい。まず手始めに、スティック型のUSBフラッシュメモリを接続した。筆者のスマートフォンには、すでに32GBのmicro SDHCカードが挿入されている。しかし何の問題もなく、USBフラッシュメモリを第3のストレージとして認識した。机の中には、現在使っていないUSBフラッシュメモリが何本も眠っている。今後は、スマートフォン内のデータを出し入れする用途で有効活用していこうと思う。
続いてデジタルカメラとの接続を試みたが、うまくいかなかった。ただ、デジカメから取り出したSDカードをアダプタ経由で接続すると認識された。デジカメで撮った写真をSNSへアップしたい、あるいはスマホのアプリで加工したい、ということはよくある。この方法なら、いつでも手軽にデジカメの写真をスマホに取り込めるので重宝するかも知れない。
続いて、外付けHDD(ハードディスクドライブ)に挑戦。ACアダプタで電源をとるタイプのHDDを接続しても、ストレージとしては認識されなかった。また、USB端子から電源をとる2.5インチHDDも認識せず。少し肩を落とす。
気を取り直して、外付けDVDドライブ、そして出来心で3.5インチFDD(フロッピーディスクドライブ)を試してみたが、やはりどちらも認識されなかった。スマートフォンとフロッピーによる夢のコラボは、幻に終わった。
PC用のマウスは利用できた。スマートフォンと接続すると、画面上に黒いマウスポインタが出現。クリック操作はもちろん、センターホイールで画面を上下に遷移させることも可能だった。マウス、とくれば次に試してみたくなるのはキーボードである。
キーボードは、マウスと一緒に使いたい。しかしmicro USB端子はひとつしかない。では、USBハブを使ってmicro USB端子を増やすことはできるだろうか? ということで、キーボードを試す前にUSBハブの認識テストを実行。無事、使えることを確認した。では、USBハブは何本のUSBフラッシュメモリを認識するのだろうか。そこで、USBハブの余っている穴すべてにUSBフラッシュメモリを挿してみることにした。
すると2本目、3本目を挿しても認識されるのは初めの1本目のみだった。めげずに(半ば調子に乗って)4本目のUSBフラッシュメモリを挿すと、突然USBハブの電源が落ち、「USBストレージが不適切に取り外されました」との警告が出てしまった。何事もやりすぎは良くないのだ。
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後編では、USBハブ+マウス+キーボードの組み合わせのほか、様々なPC周辺機器を使って検証した結果をお伝えするとともに、MHL - HDMI変換ケーブルの活用法などを掲載予定だ。
(記事提供: AndroWire編集部)