携帯電話やスマートフォンは、今や仕事でも欠かせないものとなっている。仕事で携帯電話を使用する際に気になるのは、その端末が個人のものなのか会社のものなのか、利用料金は個人負担なのか会社負担なのか、といった問題である。そこで、マイナビニュースでは同誌会員にアンケートを実施。1000件の有効回答を得た。

会社から携帯を貸与されているのは2割程度、多くの人がプライベート用の携帯を仕事でも使っている

アンケートではまず、どのくらいの頻度で仕事で携帯を使うかを聞いたところ、「使わない」と回答した人が全体の45.6%(456人)、「1週間に1回以下」が16.4%(164人)となって、残りの約4割の人が1週間に1回以上、仕事で携帯を使っていることがわかった。そのうち、「1日に10回以上」と回答した人が8.8%(88人)だった。

どのくらいの頻度で仕事で携帯を使うか、に対する回答

次に、会社からの携帯の貸与があるかを聞いた質問では、全体の23.6%(236人)が「貸与されている」と回答。内訳はスマートフォンが4.5%(45人)、携帯電話(フィーチャーフォン)が12.8%(128人)、PHSが6.3%(63人)だった。全体の約8割(764人)が「貸与されていない」という結果だった。

会社から携帯を貸与されているか、に対する回答

続いて、会社から携帯を貸与されている236人に、プライベート用とビジネス用で複数の携帯を持つことについてどう感じるかを尋ねたところ、「便利だと思う」の39.0%(92人)、「面倒・邪魔だと思う」の37.7%(89人)という2つの意見が拮抗する結果となった。このうち、「面倒・邪魔だと思う」と答えた人に理由を聞いたところ、「かさばる」という回答が84.3%(75人)でもっとも多く、次いで「紛失するのが心配」の24.7%(22人)という答えが多かった。

プライベート用とビジネス用で複数の携帯を持つことについてどう感じるか、に対する回答

プライベート用の携帯を仕事で使う場合でも、携帯料金が支給される例は少ない。その結果として仕事の電話をするのを控えてしまう傾向も

また、会社から携帯を貸与されていない残りの764人に、携帯料金について会社の支給があるかを質問したところ、6.8%(52人)が会社から支給されると回答したものの、9割以上となる712人は「支給されない」と答えた。

会社から携帯料金の支給があるか、に対する回答

また、仕事で使う携帯について、何か不満はあるかを聞いたところ(自由回答)、会社から携帯を貸与されていない人からは、「通話料などの精算もいちいち自分で調べてやらなければならないので面倒」「(制度としてはあるが)電話代を請求しにくい」「営業の人は私用に使っていてずるいと思う」など、経費精算の煩雑さ・不透明さに対する不満や、「仕事で使っている電話料金くらい払って欲しい」「業務連絡をしなければならないのに自費で電話代を払っているのは不満」「自分の携帯なので軽々しく掛けないでほしい」「電話をするときに長電話になるのは嫌」など、携帯代が支給されないことへの不満が多くあがった。

さらに、同じ764人に携帯料金が自腹である場合、仕事の電話をするのを控えてしまうことがあるかを尋ねた質問では、「可能な限り控える」と「控える」を合わせると67.4%(515人)となった。自腹の場合、7割近い人が仕事での携帯利用を抑えてしまう傾向にあることがわかった。

携帯料金が自腹の場合、仕事の電話をするのを控えてしまうことがあるか、に対する回答

プライベート用の携帯番号の業務利用、約7割が「抵抗を感じる」

また、同じく会社から携帯を貸与されていない764人に、プライベートの電話番号を仕事で使うことに抵抗があるかどうかを聞いたところ、「とてもある」が33.6%(257人)、「ややある」が34.8%(266人)となり、約7割が何らかの抵抗を感じていることが明らかになった。

プライベートの電話番号を仕事で使うことに抵抗があるか、に対する回答

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今回のアンケートでは、半数以上の人が仕事で携帯を使っていると答えたが、会社から携帯を貸与されているのは2割程度と少なく、多くの人がプライベート用の携帯を仕事でも使っていることがわかった。また、プライベート用の携帯を仕事で使う場合でも、会社からの携帯料金が支給される例は少なく、その結果として仕事で携帯を使わなくなる傾向も見られた。さらに、プライベートの電話番号を仕事で使うことへの抵抗も多く見られた。

毎月支払う携帯料金は、個人にとってもそれなりの負担となるが、社員に携帯を貸与するとなると企業の負担も大きなものとなる。しかし、企業が出費を抑えるあまり、社員の営業活動まで抑制されてしまっては悪循環となるため、何らかのソリューションが求められていると言えそうだ。

スマートフォンのビジネス利用を想定したソリューションとしては、NTTコミュニケーションズが法人向けに「050 plus for Biz」「0035ビジネスモード」といったサービスを展開している。050 plus for Bizは、ビジネス用途で利用できるIP電話アプリで、社員どうしの通話は無料、社外への通話も安価で利用できるというもの(社員一人ひとりの通話料は会社に一括請求)。0035ビジネスモードは、社員個人の携帯電話をビジネス用に使い分けできるサービス。相手先電話番号の前に簡単な番号をつけることで、その際に発生した通話料金を「業務利用時の料金」として会社でまとめて支払うことができる。携帯電話やスマートフォンを業務で利用するのであれば、こういった個人の所有する端末を利用したソリューション(BYOD)の導入を検討するのもよいだろう。

携帯電話の業務利用についてのアンケート

調査時期 : 2012年10月14日~2012年10月16日
調査対象 : マイナビニュース会員
調査数 : 1000件
調査方法 : インターネットログイン式アンケート