国内最大規模となるコンピュータゲームの展示会「東京ゲームショウ2012」(TGS2012)が、千葉県の幕張メッセで20日に開幕した。一般公開日は9月22日(土)~23日(日)で、開催時間は10時~17時(入場は16時まで)。入場料は中学生以上が前売1,000円、当日1,200円。小学生以下が無料。

先の記事ではゲーミングPC&周辺機器の展示ブースをまとめている。本稿では、TGS2012に出展している3Dテレビやヘッドマウントディスプレイ、脳波で動く"しっぽ"型のデジタルガジェットを紹介していこう。

1台のテレビで2人が別々の映像を楽しめるカーレース - LGブース

生活家電や携帯デバイスなどを製造・販売するLGは、TGS2012で2012年7月に発売した「LG Smart TV」シリーズの3D対応モデル「55LM9600」などを展示。同シリーズはLANポートを搭載し、インターネットに接続して動画や専用アプリなどをリモコン操作で視聴できる"スマートテレビ"だ。

LG展示ブース

自由にアプリを追加できる「55LM9600」

「55LM9600」3Dの方式は偏光式で、軽量の専用メガネを通じ左右の目に映像を振り分けることで立体視できる。この仕組みを応用し、「55LM9600」に2種類の映像を重ねて表示させ、別売りの専用メガネを通して2人のユーザーに別々の映像を見せることができる「DUAL PLAY」機能を紹介していた。

DUAL PLAY用のメガネ

「55LM9600」と軽量メガネ。裸眼で見ると別の車が2重に映っているように見える

DUAL PLAY用のメガネで見ると、緑のフレームのメガネで映像を見た場合(写真左)と、ピンクのフレームのメガネで映像を見た場合(写真右)では、背景まで含め違う映像となっている

LGブースのコンパニオンさん

ヘッドマウントディスプレイの新しい楽しみ方 - HMZ没入快感研究所ブース

"目の前の人が急にゾンビに変わったら―?"そんな驚きの体験を提案するのがソニーの特別企画ブース「HMZ没入快感研究所」。「人はどこまで没入できるか?」をテーマに、10月13日に発売する有機EL採用の新ヘッドマウントディスプレイ「HMZ-T2」の新しい楽しみ方を提案している。

HMZ没入快感研究所ブース

ブースでは、映像を360度再生できる「HMZ-T2」をベースに、ヘッドトラッキングシステムと、ライブカメラを内蔵したTGS2012限定仕様のヘッドマウントディスプレイ「PROTOTYPE-SR」を展示。体験者は「PROTOTYPE-SR」を装着し、公開実験ブースの白い小部屋で映像を視聴する。

TGS2012用に開発した「PROTOTYPE-SR。ライブカメラとヘッドトラッキングシステムを搭載する

9月11日に発表した新型ヘッドマウントディスプレイ「HMZ-T2」も合わせて展示

体験者は搭載されたライブカメラの映像に加え、ゾンビやバイオリニストなどが登場する録画映像を合わせて視聴。録画映像はヘッドトラッキングシステムで体験者が目を向けた方向だけを、360度再生できる映像の中から切り取って再生され、現実のライブカメラ映像と同時に再生される。

これにより、体験者の目には、例えば目の前にいた説明者(ライブ映像)が、急にゾンビに変わる(録画映像)といったように、「HMZ-T2」を通してライブで見ている映像が実際に変化するような新感覚の体験が楽しめる。

体験者が見ている映像(画面全体)と、実際のブース内の映像(画面右下)

より現実感のある映像を楽しむため、ライブ映像と録画映像は体験者の様子を見ながら手動で切り替えているという。なお、「PROTOTYPE-SR」はプロトタイプのため現状は発売する予定はない。

SCEJの「HMZ-T2」試遊ブース

本企画の体験者は事前募集で締め切っており来場者が実際に体験することはできないが、体験者が見ている映像をブース内のディスプレイで視聴できる。また、ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパン(SCEJ)のプレイステーション ブースでは、プレイステーション3向けの3Dゲームを「HMZ-T2」で試遊できる展示を行っている。


ネコミミの次は"しっぽ"! 脳波で動くガジェットのプロトタイプ - neurowearブース

脳波を感知して頭に装着したネコミミを動かす「necomimi」を販売するneurowearのブースでは、猫のしっぽを模した新たなプロトタイプ「shippo」を展示。

neurowearブース

「shippo」では、「necomimi」で使用しているヘッドセットにBluetoothアダプタを搭載。ヘッドセットで感知した脳波をBluetoothで腰に付けた「shippo」へ飛ばし、集中しているときは素早く、リラックスしている時はゆっくりと、脳波の状況に応じて2段階に動かせる。

「shippo」

実際に装着したところ。shippoはベルト状のひもで固定している

ヘッドセットでは、額と耳にセンサーを接着し、額で測定した脳波から耳で測定したノイズを除去して、精度の高い脳波を検出できる。

同ブースでは「shippo」と同じくBluetoothを使用し、脳波に応じてターンテーブルの回転速度を変える「Neuro Turntable」も展示。感知した脳波を、レコードを再生するターンテーブルで受信し、集中している時は速く、読書しながらなどリラックスしている時はスローで音楽が再生される。

脳波を検出するヘッドセット。上に飛び出している部分が額に接着するセンサーで、下のクリップが耳に装着するもの

「Neuro Turntable」。木製の箱は手作りという

実際に試したところ、脳波感知から実際にターンテーブルが応答するまでタイムラグがあるものと思っていたが、反応は非常にスムーズ。集中してからターンテーブルが反応するまでの速度も心地良い速度だった。

「Neuro Turntable」は「音楽と1対1で向き合える機会があっても良いのでは」という発想から生まれたガジェットといい、アプリで再現したものも展示しているが、「shippo」も含めいずれも現状は発売は未定という。

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