【インタビュー】

光浦靖子のものづくり vol.2 「私にとっては、出産ですね」

 

芸人として活躍するかたわら、フェルトのブローチを作り続けるクリエイター・光浦靖子。多忙な中で創作を続ける意欲の源泉は、ものすごく純粋な愛情だった。

MoMAの展覧会にも招かれた「押忍!手芸部」にインスパイアされ、仲間内で「ブッス!手芸部」を結成するなど、"布教活動"にも非常に熱心だ。なぜそこまで手芸に没頭するのか。そして、なぜ「役に立たないもの」の筆頭としてブローチを偏愛し生み出し続けるのか、その理由に迫った。

――ニードルで作る作品には置物やストラップなどもありますが、あえてブローチを作り続けている理由を教えてください。

まず、ブローチって響きが面白いじゃないですか。

あと、存在自体が面白くて。アクセサリーって、ネックレスや指輪とか色々あるけど、その中でブローチって一番人気がないと思うんです。ともすると、ブローチ=ダサいみたいな。そんなブローチという存在自体が可愛らしいですね。

光浦さんがニードルで作ったブローチ

あと、オカマの友達と「モテるにはどうしたらいいのか」というアイデアを考えるのが流行ったことがありまして。それで「チーク&ブローチ大作戦」っていうのを考案して、その名の通り、女はチークとブローチをつけていればモテるんじゃないかという活動をしたことがあったんですね。でもまあ、これっぽっちもモテなかったですね。

そういう遊びをしたこともあって、やっぱりブローチが私の中でナンバーワン。一番うっとうしくて、何よりも乙女心満載のアイテムだから。ストラップの方が「使える」けど、ブローチの方が、モノ自体に愛嬌があるというか、ダサさと乙女とがいい感じに煮詰まってますし。あと、つけるのも難しいですしね。

――確かに、いざ使うとなるとどこにつけたらいいか困りがちなアイテムですよね。

そうなの!そこが好きなの。扱いにくくってかわいい(笑)

かといって、別に普段ブローチをつけてるわけじゃないんですけどね(笑)ブローチの存在が好きというか、「いやだ、かわいそう!」って思って、そそられちゃうじゃない。

――ご自分で作ったモノについても、普段はつけないんですか?

そうですね、つけません。今日はお気に入りの缶バッチをつけてきました。サンフランシスコかロスののみの市で買った、マイケルジャクソンと、アメリカのファーストレディの缶バッチです。

マイケルジャクソンやファーストレディ達の顔写真が使われたインパクト大の缶バッチ

――多くの作品を作り続けてきた光浦さんですが、手芸以外のものづくりで何か気になっているものはありますか?

樹脂で紙とかボタンとかを固める、レジンアクセサリー作りにチャレンジしてみたいです。

自分で作ったニードルのお人形を樹脂で固めたらどうなるのかなって、一度実験してみたくて。もしかしたら、ホルマリン漬けみたいな怖いことになるのかもしれないけど、とにかく想像がつかないのでやってみたいんですよ。可愛くなればいいんですけどね。

――新しくチャレンジしたいのも手芸、とのことですが、他の分野のクリエイティブな活動に興味はありますか?

これにハマったと言えるものは無いかもしれないですね。結局、何をやっても長続きしないんですよ。

例外で、手芸だけはずっとやってる感じです。飽きないですからね。

――日々のお仕事の合間を縫ってモノを作り続けることで、芸人としてのお仕事にはどのようなよい影響がありますか?

やっぱり、ストレス発散ですかね。

日頃、良いことがあっても悪いことがあっても反省するクセがついちゃってて。TVをぼーっと見ていても、大体どの番組にも誰か知っている人が出ていて仕事を思い出しちゃうから、何も考えないというのは難しいですし。

手芸をやっているときは、何も仕事やほかのことを考えない時間ができるので、それが私にはいいんだろうな、と思います。健康になってる気がしますね。一瞬、その何も考えてない時間によって。

単純作業をやってると脳みそから何か出てくるみたいで、ただ、ただ、刺すという時間がね、すごくいいですよ。

――MoMAの展覧会にも招かれた「押忍!手芸部」に対抗して、光浦さんを中心に「ブッス!手芸部」というクラブを作ってみなさんで手芸をやっていらっしゃるとのことなんですが、頻繁に集まっているんですか?

彼女らは北海道に住んでるので、なかなか集まれていないです。でも、私が北海道に行った時はイベントやったりしますよ。

「ブッス!手芸部」の人に限らず、友達を家に呼んで手芸を教えたりしていますね。でも、まあー、皆、はまらないね。びっくりしちゃった!!100人が100人ハマるものだと思ってたから。

こんなに楽しいものがあるんだよってすごいプレゼンしてご飯まで用意して、「ほら、なんて楽しいんでしょう、夜が明けるまでやっていいのよ」ってお膳立てしたのに、意外に1時間くらいで帰りたそうな顔し始めたから、びっくりしちゃって。

――これまでに何人くらい教えてきたんですか?

10人くらいは教えてますよ。中でも、清水ミチコさんが一番ひどかったですね。

「教えて」って頼まれたので清水さんの家まで行って教えたんですけど、1時間も持たなかったですね。やったら良さが分かるんだってさんざん言ったのに、「まずは見せて」って材料に触ろうとしなくて。こんなにもハマらない人がいるんだってびっくりしましたね。

光浦さんがニードルで作ったブローチ

「やったら楽しいと思う」っていう人はたくさんいるんだけど、材料を用意するのが面倒くさい部分はありますよね。私の家には材料がすべてそろえてあるので、手ぶらで来ればできるようになってます。

でも、初心者の人が始めて一気にハマるというのはなかなかないですね。世の中には手芸に興味がない人間がいる、ということを知りました(笑)

自分が100%好きだから、ただ皆はやったことがないからやらないだけなんだと思ってましたから。やった上でイヤだって言う人の存在はカルチャーショックでした。

――最後になりますが、光浦さんにとって「ものづくり」とは何でしょうか?

私にとっては、出産ですね。プレ子づくり。

ブローチを作る時は「かわいくなぁれ、かわいくなぁれ」って刺してますもん。ニードルだから刺すしかないんですよね、矛盾してるけど。

――ありがとうございました。

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