なお、店頭体験会では本ソフトのプロデューサー大崎誠氏、ディレクター高部元志氏によるプレス向けの囲み取材も行われた。開発が追い込み時期ということもあり、スタッフ、プロデューサーとも睡眠不足気味と、緩やかな雰囲気の中行われたインタビューの詳細は以下の通り。

プロデューサーの大崎誠氏

プロデューサー大崎誠、ディレクター高部元志インタビュー

── 初音ミク and Future Stars Project miraiの開発コンセプトは?

大崎氏:最初は3DSでミクさんのゲームを作ろうと会社から提案がありまして、どういう内容にしようかと考えていたのですが、私が所属するAM2研(現:第二研究開発本部)は技術好きなので未来っぽいことをやってみたいという希望がありまして、「ゲームと未来ガジェット」がコンセプトになりました。ドラえもん的な未来、ワクワクする未来をミクさんで表現しようと。ミクさんは技術のフラグシップというイメージもあるので、ピッタリと合うのではということでスタートしました。

── 今日は多くのお客さんが集まっていますが、率直な感想はいかがですか?

大崎氏:誰もこなかったらどうしようと思っていたので、これだけ来ていただいたというのは幸せですね。これまでアーケードだったものを家庭用ゲーム機に移植するという仕事が多く、家庭用で完全新作というのはいままでありませんでした。新鮮な気持ちもありつつ、お客さんに来ていただけるか不安を感じていたので、安心しました。

── 見どころを教えていただけないでしょうか?

大崎氏:まず、3Dでゲームをプレイしやすくしました。『Project DIVA』とは全然違うゲームシステムですが、ボタンをテンポよく刻む気持ちよさを重視しています。元はアーケード屋ということもあって、ボタン押したらいい音が返ってこないとゲームはダメと思っています。

高部氏:長押しして離すときも音が出るんですけど、それも計算に入れて譜面をつくっています。長押しが頻発して出てくる譜面だといままでにない快感をプレイしていると感じてくると思います。

大崎氏:曲にある程度自分でリズム付ける、そういうことを考えて作っています。

高部氏:あとはキャラクターを可愛さ。まるっとカワイイっていうのはこういうのなんだなと実機でぜひ見ていただきたいですね。

大崎氏:キャラクターの動きにもこだわっています。髪の硬さにしてもミクさんの髪は最初グニャグニャしていて、これはねんどろいどらしくないと固くすると、今度はブンブンと可愛らしくないなど、試行錯誤でいまの形に落ち着きました。AM2研は昔から、リアルじゃなくてリアルっぽい表現をやってきましたから。バーチャファイターの蹴りだって、普通はあんなにキリモミして吹っ飛びませんから。なので、こうしたら気持ちいいよね、ねんどろいどが動いたらこうなるんじゃないか、という感覚を追求した結果となっています。

── GUMI(Megpoidのイメージキャラクター)が出てくる経緯を教えていただけますか?

大崎氏:総合プロデューサーの内海(通称:1号)が「みんなが聞きたいものをやっぱ入れたいよね」と最初に言ってまして、そういう単純な理由からでしたね。曲のコンセプトは「明るくてポップなやつをいれよう」だったので、GUMIというよりもハッピーシンセサイザ(収録曲)を入れることが最初に決まったと思います。その後、いろいろと調整しして、このような形で入ることなりました。一番はマトリョシカもハッピーシンセサイザもそうですが、みんな聞きたいでしょ。これで遊んでみたいよね。それを素直に実現するために調整努力した結果ですね。以外とシンプルな理由です。

── 逆さまレインボーが収録されているのは内海さんリクエストですか?

大崎氏:(勢いよく)そうですね(キリッ)やっぱり、PSPのDIVA、アーケードのDIVA Arcade、miraiで収録曲が全然ちがうんです。miraiは高部プロデューサーがある程度、おしゃれ的な感じにしたいよねというのがありまして、キラキラした曲が多くなっています。

高部氏:ほかにも、デュエット曲を入れたいというのもありまして、出てきたのが逆さまレインボーなんです。

── 一部の楽曲では、ボーカルキャラの変更が可能となっていますが、実現に苦労した点は?

大崎氏:楽曲P(作曲者)は苦労したと思います。これはミクのために作りましたなど、Pの人にはいろいろポリシー持っている方もいまして、リンちゃんだけならなど、交渉は大変でしたね。ただ、お祭りなんでやりますと全曲やってくれた方もいらっしゃいました。

高部氏:やっぱり使い慣れているボーカロイド、使い慣れてないボーカロイドというのがありますし、無理強いはできないので、「ボーカル変更の企画があるんですが、どうでしょう?」とお伺いベースからはじまってます。

大崎氏:たとえばミクの歌をリンで読み込ませても歌うんです。でも、ボカロ用語でいうところの調教(うまく歌えるように調整すること)をちゃんとし直さないと、キャラで一番いい状態にはならない。ミクからリンとかミクからルカとか大変なようで、そのあたりで二の足踏まれるのもわかります。ただ、歌詞まで変えたい、音源も調整したいとテンション高く対応してくれた方もいました。

── ARモードで開発スタッフで流行ってる使い方ってありますか?

大崎氏:手乗りミクさんはみんなやりますね。ジオラマを作りたいという話は出ていますが、ネットの動画を見るとすでに作っている人出てきていて、負けてられないという気分にはなります。手製のペーパークラフトなんかを使うとより楽しめると思いますね。ポーズ取って撮影するモードとかMiiも呼び出してミクさんと一緒に撮影も可能です。雪山の頂上で撮影するといった企画もありました。ねんどろいどを旅行先に持っていて撮影する人もいますので、まあ、同じように使われたらと思いますね。

高部氏:ARは背景があってナンボですので、いかに面白い背景でとるというのがAR職人さんのウデの見せ所じゃないでしょうか。

── すれちがい通信でコメントをやりとりできると思うんですが、実装までの経緯を教えていただけますか?

高部氏:3DSの機能のショーケースみたいなソフトにしたかったですし、ある機能は全部使ってやれというのがありましたので、最初考えてたのは写真の交換とか普通の使い方だったんですが、それじゃ面白くないということで、せっかく動画の世界から勃興した世界なのだから、それを活かさない手はないなと。すれちがい通信でソーシャル性を出すなら、コメントがかみ合うんじゃないかというアイディアがありまして、それを決めたからは加速度的に仕様が決まっていきましたね。

大崎氏:自分のアップした動画にコメントが付くとうれしいんです。昔、つまらない動画をアップしたことがあるんですが、コメントが入ると、私もこういう風に返してあげないなと思ったのがありまして。ニコニコ動画ほとではないのですがデコレーションできたりとか凝っています。ミクさん流行った場所のオマージュをしたかったのがありますね。

高部氏:携帯ゲーム機ということで動画サイトみたいに自由度が高いわけではないですが、あえて制限の中で楽しむ。コメントは削除もできますので、自分が一番気持ちいい弾幕を作るまでがゲーム性と楽しんでいただければと思っています。

── オープニングをDECO*27(デコ・ニーナ)さんの曲にした理由はなんでしょうか?

大崎氏:DIVAだったらryoさんとか、いろいろイメージがあるかと思います。デコさんはカワイイ曲が多いので合うかなと。こういう感じで作りたいと考えていた曲と近かったんで、お願いしたという流れですね。

高部氏:地下のカフェテリアでの打ち合わせ中に、毒気のない明るい未来を考えたときに出てきたのがデコさんで、その場で携帯に電話して依頼したという経緯があります。

大崎氏:一番大事なのは「毒気のないミライ」。藤子不二雄的な未来感ってミクさんの世界でやりたかったんで。

高部氏:最初ゲームタイトルとして「ミライのトビラ」というアイディアがありまして、なのでオープニング曲の「ゆめゆめ」の歌詞には「ミライ」「トビラ」といったフレーズがあるんですよ。すごくこちらの意図をすごく汲んでくれました。

大崎氏:最初にできた曲を聴いた瞬間、「いい曲きたな!」という感じでしたね。

── 最後にユーザーに向けてメッセージをお願いします

大崎氏:iPodとかiPhoneを買った時って嬉しかったと思うんです。このソフトを持っていれば、時間も教えてくれる、遊べる、ミクさんがいろいろなアクションをする、持って開いて置いて見てるだけで楽しい、というアイテムなんです。"mirai"が表した"未来"を味わっていただきたい。ゲームもアーケード屋らしくこだわった部分もあって、遊びも難易度も幅広いので、遊んでも置いても楽しい、そういうツールです。未来ガジェットのゲームなんで、楽しんでください。

高部氏:好きなミュージシャンのビデオクリップを買うといつでも見れるぞって満足感があると思うんです。今回は楽曲をフル尺で入れて、PVのクオリティにもすごいこだわっているので、所持するだけで満足できるというのがあります。まだ発表されていないギミックも満載ですので、実際にお手に取っていただいて、こんな物も仕込んでいたのかと、斜め上ぶりも堪能していただければと楽しみにしております。

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