キヤノンの高級コンパクトデジカメ「PowerShot G」シリーズの最新モデル「PowerShot G1 X」が登場した。同社のコンパクトデジカメでは最大となる1.5型(18.7×14mm)の大型CMOSセンサーを採用することで、一眼レフやミラーレスに匹敵する高画質を実現したモデルだ。今回、機材をお借りできたので、さっそくレビューをお伝えしよう。
ボディは、重厚で力強い雰囲気が漂うフルブラックの金属外装を採用する。前面には口径の大きなレンズを備え、天面にはボタンやダイヤル、ホットシューなどをぎっしりと配置。少々ごてごてとした印象があり、一見無骨にも感じるスタイルは近年の「PowerShot G」シリーズに共通したもの。スマートさを指向する他の多くのコンパクトデジカメとは対照的に、撮る道具としての存在感が際立ったカメラらしいフォルムだ。
2010年に発売した前作「PowerShot G12」に比べた場合、およそ一回り大きくなり、使用時重量は約401gから約534gへと増加した。特にレンズ部がいっそう大きくなり、見た目の迫力が強調されている。この外観からも他のコンパクトとは一線を画することが伝わってくる。
天面には外部ストロボ用のホットシューや、露出補正ダイヤル、モードダイヤルなどを装備する |
手ブレ補正機構を備えた光学4倍ズーム。UAレンズなどを組み込み、大型センサーながらレンズをコンパクトに設計している |
もちろん、いくら大柄とはいえ一眼レフ機「EOS Kiss X5」に標準ズームを装着した場合に比べれば一回り以上小さくて軽い。センサーサイズを考えれば、PowerShot G1 Xは小型軽量といってもいいだろう。他社のミラーレス機を基準にした場合は、標準的なサイズだ。
天面の電源ボタンを押すと、沈胴式レンズが繰り出し、約1秒で液晶モニタが表示される。公称の起動時間は、前モデルの1.8秒からわずかに低下し1.9秒となる。
レンズは、28~112mm相当の焦点距離を持つ光学4倍ズームで、開放値はF2.8~5.8に対応。テレ側のF値はやや暗めだが、一般用途に特に不足のない仕様といえる。レンズキャップは着脱式のものが付属。ズームの操作はシャッターボタンの回りにあるレバーで行う。ややゆっくりとした動きで、ズーミング中は「ジジー」という駆動音が小さく鳴る。