MFPに新たなる価値を生み出せ!! - RICOH&Java Developer Challenge 2011

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MFPに新たなる価値を生み出せ!! - RICOH&Java Developer Challenge 2011

小林行雄  [2012/01/13]

リコーが主催している組み込みJavaコンテスト「RICOH&Java Developer Challenge 2011」の最終選考会が2012年1月12日、都内にて開催された。同コンテストは、今回で4回目となり、大学や大学院大学、高等専門学校、専門学校など日本全国の学生が参加し、その中から一次選考を通過した7チームと、海外からの招待チームである中国の上海交通大学の合計8チームが最終選考会でのプレゼンを行った。なお、今回のコンテストでは日本オラクルが協賛企業としてかかわっている。

今回の大会実施概要は、2011年4~5月末までの期間にてコンテスト参加の募集を実施、同6~9月の間にプログラムを開発し、同9月末に1次選考を行った。参加校数は前回より1校増の27校となったが参加チームは前回より1チーム減の34チームとなった。このうち8チームが1次選考を通過し、海外招待チームである上海交通大学を加えた合計9チームに対し、2011年1月の最終選考でのプレゼンテーションに向け、リコーよりMFPが貸し出され、各チームはそれを用いて実際に動くプログラムを開発、調整を進め、最終選考に挑んだ(なお、最終選考会参加9チーム中、静岡産業技術専門学校のClub.Sangiが残念ながら発表できない状況となり、実際には8チームの発表となった)。

「RICOH&Java Developer Challenge 2011」の参加チーム一覧

ちなみに最終選考に残った9チームとシステム名は以下のとおり(順序は最終選考会での発表順+静岡産業技術専門学校)。

学校名 チーム名 システム名
香川高等専門学校 +U Cool Works!! Nur-imagio
一関工業高等専門学校・東北大学・東北大学大学院 TFLOPS もっとも ふしぎな ぷりんたー
産業技術大学院大学 Maniac Hit Poi LocialS
産業技術大学院大学 放課後電磁波倶楽部 リーコのファションレポート
奈良先端科学技術大学院大学 チーム曼荼羅 Project Nirvana
北海道情報大学大学院 えべチュン飼育係システム班 おりこーさん
北陸先端科学技術大学院大学 tAsktoys NUImagio -Document Strage-
上海交通大学 JoyBoys Information Extraction System
静岡産業技術専門学校 Club.Sangi -

最終選考は1チームに15分のプレゼンテーション時間と10分の質問時間が与えられる。採点は、Javaプログラミングの内容は元より、プレゼンテーション能力、システムの趣旨、システム名など基準とし、筑波大学大学院システム情報工学研究科 コンピュータサイエンス専攻の北川博之教授を委員長とする12名の審査員がそれぞれの判断に基づいた点数をつける形となっている。

会場の様子

今回の審査員は前回より1名増えて12名となった

プレゼンに用いられたリコーのMFP「imagio MP C5000」

審査の配点は、新規性30点、完成度40点、市場性/社会性20点、ドキュメント50点、プレゼンテーションスキル30点の合計170点で、アイデアのユニークさ、最終選考までにシステムを構築する技術力、そしてプレゼン能力と、勝つためにはあらゆる角度で高い能力を発揮することが求められる仕組みとなっている。

今回の審査シート

今回は4回目ということもあり、システム名についてもかなり凝ったものが多かったほか、システムの中身についても、子供にMFPを活用させるものであったり、無線通信を活用することでMFPがユーザーを自動的に認識したり、地域でのコミュニケーション活性化のためのハブとして活用したり、はたまた、オープンプラットフォームの開発環境そのものを提供するものなど、多岐に渡っていたが、その多くが誰かと誰かをMFPでつなげようというようなものであった。

今回のコンテストでは「グランプリ」、「準グランプリ」、「リコー賞」、「オラクル賞」に加え、審査員が急遽もう1つ審査員特別賞として「かわいかったで賞」が設けられ、招待チームの上海交通大学を除く5チームに何らかの賞が与えられた。

右からグランプリ、準グランプリ、リコー賞、オラクル賞の盾と副賞

その特別賞となった「かわいかったで賞」は、かわいらしいという感覚的なものが今後、大切になってくるということで急遽決定されたもので、香川高等専門学校「+U Cool Works!!」の「Nur-imagio」が選ばれた。これは描いた絵をスキャナで取り込み、それをMFP側でデータ処理を行い、自動的に48コマのパラパラ漫画に再構成して、それを印刷しコンテンツとして活用することができるというもの。ターゲットはぬりえが大好きな子どもだが、ビジネス性も持たせたものとなっている。

「Nur-imagio」の概要。ぬりえをして、それをパラパラ漫画にしてしまおうというもの

オラクル賞には奈良先端科学技術大学院大学「チーム曼荼羅」の「Nirvana」が選ばれた。これはMFPをオープンな開発プラットフォームへと進化させることが可能なシステムで、JavaScriptを用いることで、Webとの親和性を高め、AppStoreなどもMFP上で展開して、さまざまなアプリを提供したり活用したりすることが可能となるというもの。また、ソースコードの量も比較的少なく、数十行程度でそれなりの機能を持ったアプリを作れるという開発にもやさしいということが売りとなっており、その技術力が高く評価された結果の受賞となった。

「Nirvana」の概要。アプリのデモとしてネタ的なものも入れていたが、当日、諸般の事情で使えない結果となってしまった

リコー賞には産業技術大学院大学「放課後電磁波倶楽部」の「リーコのファッションレポート」が選ばれた。ファッション提案型システムと銘打たれたシステム。自分に似合う服装が欲しいが、店員は適当に似合っていると言うだけで、本当にそうなのかどうかは判別が難しいという体験は誰しも1度はあるはず、といった問題を解決してくれるもので、顔のタイプから似合いのヘアスタイルやファッションの提案を行おうというもの。これにより、店員の販売スキルセンスのムラを減らせ、かつアパレル業界でのMFP活用を促進することができるというMFPに対する新しい価値の提案を示したことが評価された。

「リーコのファッションレポート」の概要。なお審査とは関係ないが、他のチームメンバーが「リーコは俺の嫁」と豪語するなど、リーコが一躍人気者になっていた

準グランプリには北海道情報大学大学院「えべチュン飼育係システム班」の「おりこーさん」が選ばれた。企業内での活用を想定したもので、MFPを擬人化キャラクター化して、MFPを経由して趣味が近しい人を紹介してもらったり、Twitter経由でアップロードされた画像や手書きの絵などと連動して自動的に社内報を作ってくれるというもの。プレゼン能力の高さと発表内容が高く評価されたとのことであった。実際に、イラストの完成度の高さとプレゼンでのスピーチはアナウンサーが話しているようなうまさが際立っていた。

「おりこーさん」の概要。擬人化の代表としてMeたんを用いて説明が行われた。下段は実際のMFPのパネルに表示されたMFP擬人化の顔。目、口、眉、その他を選択でき、独り言もつぶやいてくれる

そしてグランプリには北陸先端科学技術大学院大学「tAsktoys」の「NUImagio」が選ばれた。NUIはNatural User Interfaceの略で、モーション検知や顔認証、音声操作機能などをKinectのセンサ群を活用することで、MFPに実装して活用できるようにしたものとなっている。ドキュメントデータとモーションを紐づけて保存することで、文字入力することなく求めるドキュメントを見つけ印刷することができるようになるほか、スキャナで取り込んだドキュメントにモーションを紐づけることも可能で、そこに顔認証も追加することが可能だ。

「NUImagio」の概要。モーションとドキュメントを紐づけて記憶させることで、コントロールパネルを操作しないで作業ができる。実際のデモでは全身を活用したモーションが登録された

技術点の高さもさることながら、プレゼンにてKinectを利用する際のパフォーマンスや、質疑に対する的確な返答なども審査員から高い評価を受けたことで受賞が決まったという。

グランプリに選ばれた北陸先端科学技術大学院大学「tAsktoys」と北川教授(左)

審査委員長を務める北川教授は、今回のコンテストの総評として、「単に最終選考会に出た、というだけでなく、そこに至るまでの膨大な時間で得た経験は、普通の高等教育のカリキュラムにない貴重な体験だったと思われる。そうした体験は、社会における今後のキャリアにプラスになることが多いはず。また、今回、初めて海外チームとして上海交通大学が参加したが、今後、ますます国際化が進んでいくきっかけができたと思う」と述べた。

また、審査委員でリコーITソリューションズ 執行役員会長の國井秀子氏も「全体を見ると、4回目ということでこれまでのノウハウの蓄積があるところが強く、継続することの重要性が感じられた。今回、参加チーム内に海外からの留学生やゲストチームである上海交通大学などグローバルな形にもなってきた。元々同様のコンテストは欧州からスタートしており、今後は経済環境が厳しいが、グローバルに広がりを見せられれば」と、今後の大会の方向性を観測的に述べたほか、「日本はものづくりが強いと言われるがソフト面では弱い。しかし、今日の技術のデモなどを見る限り、それは人の問題ではなく、仕組み、プログラムの問題だと感じた。産業界から見ても今日の技術は国際的に実力があると感じる。ビジネスモデルや事業計画、ピーアール力、プレゼン力なども求められるが、そのベースになるのは技術力。そうした意味ではこういうコンテストを活用してもらい、ITに基づくものづくりが日本に根付いていけばと思っている」と、ITと組み込み技術を融合させた新たなものづくりを日本全体で目指していくべきであるとした。

なお、リコーでは、2012年もこれまでに引き続き、こうしたITをベースにしたものづくりを目指したコンテストの開催を予定しており、2012年大会は2012年の春にその概要を発表、募集を開始することを予定しているという。

参加チーム全員と審査員の集合写真

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