ソニーは、例年CESに巨大なブースを構え、最新プロダクトを幅広く展示しているが、今年も、PS VITAから大型裸眼立体視テレビ、Xperia新モデルなどなど、注目度の高い出展を行っていた。その中でも、本稿ではVAIOノートの話題を取り上げたい。
VAIO初のUltrabookが近日中に登場か?
2012年中にVAIOノートの新モデルとして登場予定のUltrabookが展示されていた。"New design Prototype for Ultrabook"と銘打たれ、非動作状態でケース内のみに展示されていたので、実際に動作する試作機ではないようだし、また詳細なスペックもどんなものなのか不明である。
外観とブーススタッフの説明からわかったのは、ディスプレイサイズが13インチであることと、直線で構成されたフルフラットなボディデザインを採用していることなど。また、Ultrabook製品であるため、薄型軽量を主眼に置いたボディデザインを採ってはいるものの、"極限の薄さに挑戦する"、といったデザインにはなっていない。拡張性や使い勝手は犠牲にしないという、ソニー独自の同Ultrabookにおけるコンセプトがあるそうで、拡張I/O系が豊富で、かつ特種端子なども用いていない使いやすさが特徴となっている。
そのI/O系は、本体左側面にUSB×2ポート(1ポート色違いなので、3.0かPower USBかもしれない)、右側面にステレオピンジャック、メモリカードスロット、通常サイズのHDMIとD-Sub出力、そしてLANジャックが確認できる。その見た目や、上記のコンセプトから、主観では、既存のVAIO Sシリーズに近い製品を目指しているように感じられた。
現在のUltrabookの各社スタートアップの加速している状況をかんがえ見るに、32nm世代のUltrabookなのであれば、そう遠くない時期に登場するのだろうし、Ivy Bridge世代やWindows 8のタイミングまで待つとは少し考えにくい。2012年"中"とのことだが、春モデルとして登場してくる可能性も十分にありえるだろう。
スライド機構でノート/タブにスタイルを変える超薄型PC
今回のVAIOの出展では、"VAIO Concept of the Future"として展示されていたコンセプトモデルが2機種あったのだが、まずはその中から1機種め。"Hybrid"と銘打たれたコンセプトモデルから紹介したい。
一見すると、超薄型で未来的なデザインではあるが、キーボードを備える一般的なスタイルで利用するノートPC。しかしディスプレイ底面が、キーボード面に沿って手前側にスライドし、タブレットに変形するというコンセプトモデルだ。特筆すべきは、変形後のタブレットの状態でも、超薄型タブレットにしか見えない点だ。筆者が出展を見てs最初、薄型のタブレットと、薄型のノートPCのデザインコンセプトが別々に展示されているのだと勘違いしていたが、同一のモデルの変形前、変形後の2台が展示してあることに気づき驚いたほど薄い。
ディスプレイはタッチパネルになっており、指でのマルチタッチのほか、キーボード手前側に収納してあるタッチペンでの操作も可能。発売も製品化も未定で、仕様も不明だが、キーボードにWindowsキーが搭載されていたことから、Windows PCとして開発されている可能性は高い。タッチパネルとタブレットスタイルが重視されたモデルのようなので、Windows 8を見据えたコンセプトモデルと考えることもできる。
VAIOには珍しい丸みを帯びたタブレット
もう1機種の"VAIO Concept of the Future"が、"Slate"と銘打たれたコンセプトモデル。筆者はスレートとタブレットの区別が明確についていないのではっきりとはわからないが、いわゆるSlate PCと呼ばれるジャンルのコンセプトモデルなのだろう。
丸みを帯びたボディデザインが特徴で、さらに、同様のデザインのワイヤレスキーボードも一緒に展示されていた。そのワイヤレスキーボードには物理的なキーが存在せず、バックライトで点灯するキー表示をタッチすることで、キー入力できるというものであることも特徴だろう。なお、キーボードを利用する際には、タブレット側が内蔵するスタンドで立てて利用することになる。