米Googleが7月に満を持してローンチしたSNS「Google+」。これまでSNSと言えば、世界的にはFacebookが独占しており、どのぐらいユーザーを奪うことができるのか注目されている。だが、「企業向けSNSの分野に限ればGoogle+が優位になる」と予言するのが、クラウドソリューション事業者の米Appirioでソリューションマーケティングを担当するBalakrishna Narasimhan氏だ。

同氏のMashableへの寄稿「ソーシャルエンタープライズの戦いに勝つのはGoogle+だ(原題:5 Reasons Google+ Could Win the Social Enterprise Battle)」の要旨を紹介しよう。

Googleは10月27日、Google+をGoogleのオンラインアプリケーションスイート「Google Apps」に統合した。Google Appsは「Gmail」「Google Calendar」「Google Docs」などを含むもので、Google AppsのユーザーはGoogle+をスムーズに利用できる。

同氏は、企業向けSNSとしてのGoogle+の成功を信じる理由を5つ挙げている。以下、見ていこう。

(1)Google Appsとの統合

あらゆるWebサービスの最初の壁が「ユーザーの登録」だ。Google Appsのユーザーは別途登録することなくGoogle+を利用できるため、これをクリアしていることになる。Googleは単にログイン機能を統合しただけでなく、電子メールからカレンダーとアプリを切り替えるようにGoogle+をスムーズに利用できるようにしている。コンシューマーとは異なり、企業ユーザーの多くが長時間PCの前に座って電子メールやドキュメントを利用しているため、「容易にアクセスできるメリットは大きい」と同氏は見る。

同氏がもう1つ挙げるのが、業務アプリとソーシャルが相互に与えるシナジー効果だ。その例として、「Google Docで作業中に画面を共有しながらコラボレーションメンバーとビデオチャットの「hangout」を開始すること」などを挙げている。

(2)ユーザー情報の連携

Google Appsとの統合により、Google+はGoogle Apps側の情報と連携が可能になる。これにより、すでに知っている人同士を結びつけるだけでなく、ネットワーク外の同じトピックに関連を持っている人や同じ業界の人との結びつきも促進してくれる。「もし、Googleがこの方向性を強化すれば、興味のあるトピックをベースとした幅広いプロフェッショナルネットワークの構築を支援することができるはず」と同氏。

(3)コンテンツの発見と共有

Web上のコンテンツのインデックスといえば、Googleの右に出るものはないはず。これを活用できるため、企業内・外にあるコンテンツや人々の発見が容易になるとNarasimha氏。Google+には、興味あるキーワードをフォローできる「Sparks」があり、仕事に関連したトピックについてコンテンツや専門家をすぐに見つけることができる。

(4)パブリックとプライベート、2つの共有モード

多くのエンタープライズ向けSNSにおいて、共有は企業内に制限される。これに対し、Google+ではパブリック(社外)とプライベート(社内)の2つのモードでの共有機能を統合する。そのため、ユーザーは作成したコンテンツを誰と共有したいのかを決めることができる。また、+1ボタンは多くのWebサイトに埋め込まれているため、Webのコンテンツを一部ユーザーと共有するのも容易になるという。

(5)Android端末との同期

最後のメリットは、上記のメリットをAndroid搭載端末で共有できることだ。Google Appsのアカウントでアクティベートすれば、これらの機能をモバイルデバイスからでいつでもどこでも利用できるという。

ソーシャルサービスが企業にとって重要になるのは必至と思われる。同氏の予想通り、企業ユーザーのGoogle+が増えるか注目していきたい。