【レポート】
グーグルは11月1日、横浜市西区のパシフィコ横浜にて開発者を対象にしたテクニカルカンファレンス「Google Developer Day 2011 Tokyo」を開催した。今年のGoogle Developer Dayの応募者数は実に5000人。その中から、クイズイベント「DevQuiz」を勝ち抜いた開発者ら約2000人が会場に足を運び、AndroidからGoogle+までさまざまなジャンルの技術紹介に耳を傾けた。
ここでは、午前中に開催された基調講演の内容を簡単に紹介しよう。
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米Google Developer AdvocateのTim Bray氏 |
基調講演では、Android、Chrome/HTML5、App Engine/クラウド、Google+の4つの技術に関する最新情報が紹介された。
これらのうち、Androidについては米Google Developer AdvocateのTim Bray氏が担当した。氏はまず、同OSの現状について、端末ベンダーは48社に及び、世界137カ国で277キャリアが対応端末を提供していることを紹介。毎日55万台、累計1億9000万台がアクティベーションされ、Androidマーケットには30万のアプリケーションが存在し、アプリケーションのダウンロード回数は累計80億回以上に上るという。
こうした数字を示したうえでBray氏は、「Androidアプリの充実はユーザーにとって喜ばしいことだが、アプリケーション開発者からするとある種の問題も抱えている。というのも、Andoridマーケットにはアプリケーションが溢れているため、単に良いというだけでは使ってもらえない。使いやすく、高速で、かつユニークである必要がある」とコメント。優れたアプリケーションの例として、iplatform.orgの神原健一氏らが開発した、音声を瞬時に認識して翻訳音声を流す通訳アプリケーション「セカイフォン」を紹介した。
また、Bray氏は、Andoridマーケットのアップデートとして、昨年からPC向けのアプリページを用意したことや、アプリ内課金に対応させたことなども説明。さらに、先日リリースされたAndorid 4.0(開発コード名、Ice Cream Sandwich)にも言及し、Peopleアプリケーションのコンタクトリストや、NFCを使った情報共有機能、顔認証による端末ロック解除機能などを披露した。
氏は最後に、Android.comにてIce Cream SandwichのソースコードやAPIを公開していることにも触れ、「ソースコードをご覧になれば、Android 4.0が非常に大きいものであることがわかる。APIには、カメラに映した顔の目や口を識別できる機能やカレンダー連携機能など、開発者にとって便利なものもあるので、ぜひとも使いこなしてほしい」と呼びかけた。
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グーグル シニア エンジニアリング マネージャーの及川卓也氏 |
続いて取り上げられたのが、同社のWebブラウザ「Google Chrome」である。
同プロダクトを紹介したグーグル シニア エンジニアリング マネージャーの及川卓也氏はまず、Chromeのアクティブユーザー数が全世界で2億人に上ることに言及。この数字は昨年同期比で2倍になっているという。
氏はここまで急激にユーザー数が伸びた要因について「開発プラットフォーム機能を充実させているからではないか」と分析。そのうえで、Chromeに標準搭載の開発ツール「Chrome Developer Tools」の新機能として、難読化されているコードを読みやすく展開するする機能や、OSネイティブのカラーピッカーをクリック1つで呼び出す機能、変更履歴を記録する機能などを紹介した。
また、及川氏は、最新のWeb標準技術への対応として、WebGLを活用した3Dグラフィックスや、音声入力を可能にするSpeech Input機能などを紹介。HTML 5によるWebアプリのポテンシャルについては、「以前はデスクトップアプリに負けないという表現を使っていたが、現在はデスクトップアプリ以上のものを作れるようになっている。デスクトップアプリに劣らぬ高い表現力に、クラウドならではのコンピューティングパワーや膨大なデータを組み合わせることができるためだ」と説明した。
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米Google Lead Product ManagerのBrad Abram氏 |
一方、クラウドについては、App Engineを活用することによる開発の容易性が強調された。
App Engineは、すでに20万ものアプリケーションで利用され、開発者数は10万人に及ぶという。また、App Engineで構築されたサイトのPVは20億以上。人気のゲーム「Angry Birds」や東日本大震災で広く利用された「パーソンファインダー」も同サービスを使って開発されている。
App Engineを紹介した米Google Lead Product ManagerのBrad Abram氏は、壇上で「Google Cloud SQL」と呼ばれるサービスを新たに準備していることを明かした。こちらはその名のとおり、App Engine上でSQLを利用できるサービスで、現在は「Developer Preview」として開発者向けに公開されている。シンプルで使いやすく、標準に対応したインタフェースになっていると言い、デモでは数行のコードを追加するだけでデータの書き込みや呼び出しが行える様子が示された。
最後に紹介されたのは、同社が現在力を入れて開発しているSNS「Google+」だ。Google+は、一般公開から3週間で1400万以上のユーザーを抱えるに至っているという。
App Engineに続いてGoogle+の紹介も担当したAbram氏は、サービスの名前の由来について、「Googleのサービスに、しかもその中心に、"あなた"を追加することを意味している」と説明。さらに、昨今のSNSについて、「すべての友人を同じように扱って情報を共有する仕組みになっているが、実世界では友人によって情報共有の内容や形態が異なる」と分析したうえで、Google+の「サークル」では友人グループごとに異なる情報共有環境を作成できるため、現実に近いコミュニケーションが可能であることを強調した。また、氏はこうしたサービスの開発コンセプトについて「皆さんが一部の友人に対して行う"囁き"にも、広く一般に向けて行う"叫び"にも対応したかった」と表現した。
同サービスのAPIについては、「まだ初期段階」(Abram氏)としながらも、Restful、JSON、OAuthなどWebの標準技術に対応させており、すでに利用できる状況にあるという。これらを活用して、各ユーザーのソーシャルグラフを用いた独自のアプリケーションを作成することが可能になっている。デモでは、Google+のHangoutを活用してビデオチャットを行いながら、インタラクティブな操作を行うアプリケーションが紹介された。
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グーグル プロダクトマネージャーの徳生健太郎氏 |
講演ではグーグル プロダクトマネージャーの徳生健太郎氏も登壇。グーグルで実践しているものというかたちで、「なにごともエンジニアありき、開発者がいないとできない」、「百聞は一デモにしかず」、「日本で『いける!』と思ったら、世界のみんなも同感するかも」の3つの金言を紹介した。
氏は、その具体的なエピソードとして、アイデアをデモにして説明するという習慣により会議の時間が圧倒的に削減されたことや、毎年開催国の顔ぶれが変わるGoogle Developer Dayを日本は5年連続で開催していることなどを説明し、参加する日本の開発者に対してエールを送った。
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