NTTドコモが16日に行った新製品発表会で、Samsung電子製Androidスマートフォン「GALAXY S II SC-02C」の国内投入が発表された。6月10日よりドコモショップなどで予約受付を開始し、同下旬に発売する予定。
最大1.2GHz動作のデュアルコアCPUや高画質有機ELディスプレイを搭載するSamsungの最上位機種で、さらにグローバルモデルにはない独自仕様としてワンセグへの対応が追加された。グローバルモデルとの違いを中心に製品の詳細を確認した。
ワンセグ受信機能を追加、NFCは省略
グローバル版「GALAXY S II」と、ドコモ版「SC-02C」の最も大きな違いは、ワンセグ受信機能の搭載だ。グローバル版にはなかったロッドアンテナを本体右上に装備し、約4.3インチの大型有機ELディスプレイでワンセグ放送の視聴が楽しめる(録画は非対応)。
世界に先駆けてGALAXY S IIが発売された韓国では、同国の携帯端末向けデジタル放送「T-DMB」に対応したモデルとして提供されており、先代の機種にあたる「GALAXY S」でも、南米向けには日本と同じ「ISDB-T」方式のワンセグチューナー搭載モデルが用意されているなど、モバイルテレビ機能の搭載は技術的には可能性のある話であった。グローバル版の発売から比較的短い期間で日本向けのカスタマイズを完成させていることから、Samsungとドコモがこの機種を非常に高いレベルの戦略的な商品としてとらえていることがわかる。
一方、韓国版に搭載されている無線ICタグ「NFC」は、ドコモ版では省略された。ドコモの商品説明担当者は、今回はできるだけタイムリーに商品を発売することを重視したため、日本ではまだサービスが整備されていないNFCについては見送りと判断したという。また、ワンセグ、赤外線通信、おサイフケータイといった日本独自機能の中で最も消費者からの要望が大きいのがワンセグといい、優先順位の面からもカスタマイズはワンセグに注力する形となった。
また、グローバル版では搭載CPUのバリエーションとしてSamsungの「Exynos 4210」およびNVIDIAの「TEGRA 2」の可能性がアナウンスされていたが、今回の発表会で展示された試作機でシステム情報を確認したところ、Samsungの開発環境を示す「SMDK」で始まる型番が表示された。CPUはExynos 4210と見て間違いないだろう。