JR東海は3月14日、「リニア・鉄道館~夢と想い出のミュージアム~」を開業した。超電導リニア車両や新幹線を中心に、在来線の歴代車両を展示。世界最大級の鉄道模型ジオラマ、N700系の運転シミュレータなどが話題となって、連日の混雑が続いているという。ここでは、早くも人気スポットとなっている「リニア・鉄道館」をじっくりとご紹介しよう。

JR東海「リニア・鉄道館」

あおなみ線で行こう

※なお、混雑状況は日によって異なり、本稿での様子の限りではない

「リニア・鉄道館」は、名古屋市の金城ふ頭にある。ここは名古屋市が策定した「モノづくり文化交流拠点構想」の一角だ。JR東海は2008年に鉄道博物館の設置を決め、建設と収蔵車両の復元などを実施してきた。新幹線系統の車両は浜松工場に保管されていたものを中心に、在来線系統の車両は飯田線の中部天竜駅構内にあった「佐久間レールパーク」などに保管されていたものを移設したという。収蔵車両は39両とのことだ。

同館は1階と2階、屋外展示の構成となっている。鉄道車両は屋外と1階にズラリとならぶ。1階にはほかに鉄道模型ジオラマ、新幹線と在来線のシミュレータ、超電導リニア展示室、鉄道のしくみを主体として、わが国の鉄道の歴史を紹介するコーナー、ミュージアムショップがある。2階には国鉄バス第1号の車両と、東海道線や東海道新幹線の歴史展示室、収蔵品展示室、映像シアター、体験学習室などがある。

歴代車両がズラリ。奥には懐かしい旧型客車も

2階には休憩、飲食コーナーとして、プラレールで遊べるキッズコーナー、飲食コーナー、お弁当を販売するデリカステーションがある。順路としては1階→2階となるようだけど、どちらも自由に行き来できる。エレベーターは2カ所。喫煙コーナーは2階の非常階段付近にある。また、2階から1階の車両たちを眺めるテラスが設けてあって、そこには休憩用としてベンチや新幹線の座席が並んでいる。

入館引換券付き割引切符が安心

「リニア・鉄道館」への交通アクセスは、名古屋駅からあおなみ線で終点の「金城ふ頭」駅で下車、徒歩2分と便利だ。あおなみ線は貨物線を旅客化したこともあって、沿線の鉄道風景も楽しい。名古屋駅を出ると近鉄の車庫、JR東海の車庫を眺められ、途中では貨物列車も並んでいる。全線高架で見晴らしも良く、オススメのアクセスルートだ。あおなみ線が空いていると安心していたら、会館前に長い行列ができていてビックリした。混雑が激しい場合は入場制限が行われる可能性もあるという。

そこで名古屋以外の人にオススメのきっぷが「リニア・鉄道館☆往復きっぷ」だ。往復の新幹線とあおなみ線の乗車券、「リニア・鉄道館」の入館引換券がセットになったきっぷで、大人料金は東京から2万2,000円、新大阪から1万3,200円などとなり、出発駅によって1,000~1,340円おトク。有効期間は出発駅により2~3日となっている。こども料金は大人料金の半額だが、2012年5月31日までは開館キャンペーンでさらに約半額と格安だ(ゴールデンウィークを除く)。当日の購入も可能だが、発売枚数に限りがあるので注意しよう。

「リニア・鉄道館☆往復きっぷ」

また、JR東海ツアーズは「リニア・鉄道館」日帰りプランを発売中だ。こちらは往復新幹線とあおなみ線、入館引換券、JR名古屋駅構内で使える商品券(1,000円分、こども用は500円)がセットになっている。大人料金は東京発1万6,500円、新大阪発1万500円。こども料金はほぼ半額となり、「リニア・鉄道館☆往復きっぷ」よりも安い。ただし、購入は出発日の2日前まで、購入時に指定した列車から変更できず、乗り遅れると乗車券も無効、払い戻し不可などの制限がある。

これらのきっぷは割引も魅力だが、「入館引換券」は混雑で入場制限中でも入館が保証されている。こちらの魅力のほうが大きいだろう。したがって、出発日の2日前なら「リニア・鉄道館」日帰りプラン、前日と当日の購入なら「リニア・鉄道館☆往復きっぷ」をオススメしたい。ちなみに筆者は、春休みで混雑が予想される3月28日(月)の「リニア・鉄道館☆往復きっぷ」を前日に入手した。