アルゴリズミックなデザインと設計

ディレクター2名、ゲストスピーカー3名による総括トークでは、さまざまな話題が飛び交った。「現時点で気になるのは、オンスクリーン・メディアが、秩序生成へと向かうものとして発展するのか、それとも混沌を是としたまま、制御不全な状態に陥るのか、ということです」(原)

グラフィックデザインにおいては、紙面をいかに制御するかが課題だった。永原によれば、それは紙メディアにおける文字設計や組版の歴史が、自動化を目指す動きだったことと並行している。その意味で、オンスクリーン・メディアにおける自動化、つまり、各種プログラムの導入は、歴史の必然ということになるだろう。

「オンスクリーン・メディアは変化の途上にあります。カオスを生むのも秩序をつくるのも、実は同じアルゴリズムだったりする。一見カオティックに見える実験も、秩序化と同じ方向に進んでいる」(永原)

その一例がアライアンス・ポートや物書堂の取り組みと言えるだろう。彼らの仕事は、デザイン的な発想と工学的な思考、そのふたつが交差するところから生まれているのだ。

研究会を終えて



原研哉

会と機を同じくして「コミュニケーション環境の質的向上に寄与する」というJAGDAヴィジョンが発表された。デザイナー達は個の発露より公共のコミュニケーションの質を重視しはじめる。オンスクリーン・タイポへの興味は、公共空間の言葉の質への興味の高さである。時代の節目を感じるイベントになりそうだ。


永原康史

第1回はオンスクリーン・メディアでの文字の現状に焦点を当て、メディア技術の最前線にありながら、上質な文字組みを実現しているふた組の方に来ていただいた。ふた組に共通するインターフェイスとしての文字という考え方は重要であろう。堅実な考察と真摯な取り組みが実を結ぶことを再確認した時間だった。


(撮影:弘田充)