「ベスト6を狙っていきます」──。間もなくポーランド・ワルシャワで開幕する学生向け国際ITコンペティション「Imagine Cup」。マイクロソフト日本法人は、決勝大会へ送り出す日本代表2チーム(PAKEN、CLFS)の仕上がりに自信を覗かせる。

国際ITコンペティション『Imagine Cup 2010』レポート

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マイクロソフトが年に一度開催するImagine Cup。世界各国・地域の予選を通過した学生が社会問題などの課題解決に向けたITソリューションを持ち寄り、審査員の前で披露する。優勝を争うチームは英語によるプレゼン力、ソリューション、ビジネス実現性などいずれもレベルが高く、ここ数年日本チームは世界の壁に阻まれてきた。今年こそ上位進出を狙いたいマイクロソフト日本法人が打ち出したのが、日本代表チームサポートプロジェクトだ。

Imagine Cup 2010 ポーランド大会に向けて強化合宿に参加する学生たち

日本代表チームは、ソフトウェアデザイン部門のPAKEN(石村脩/永野泰爾/関川柊/金井仁弘、筑波大学附属駒場高校)と組み込み開発部門のCLFS(有賀雄基/久野翔平/Lydia Ling、東京高専)。「彼らが持っている可能性を最大限引き出す」(アカデミックテクノロジー推進部 伊藤信博部長)ため、マイクロソフトは2チームに対し、社内研修と同様に専用トレーナーをつけ、プレゼンスキルや英会話のトレーニング、ビジネスモデルや技術面のブラッシュアップに取り組んできた。「時間を作るのは大変だったが、どの研修でも新しいことを吸収できた。プレゼンにも活かしていきたい」(CLFSの有賀さん)。強化合宿を終えた伊藤氏は「(ファイナリストとなる)ベスト6を狙っていく」と手応えを伺わせた。

樋口泰行社長からImagine Cup出場者にエール

日本チームを率いる伊藤氏は、「侍」の文字をあしらったTシャツを用意し、士気を高めた

Imagine Cupへの挑戦を"参加することに意義がある"という体験だけにとどめたくない。世界の壁を乗り越えようとするなら、「(国際交流を楽しむなどの)きれいごとだけでは進まない」(伊藤氏)。そんな思いで組まれた強化プロジェクト、学生たちはどんな結果を見せてくれるだろうか。出発に先立ち7月1日に行なわれた壮行会では、樋口泰行 同社代表取締役社長も駆けつけ、各チームは本番さながらのプレゼンでその成果を披露した。樋口氏は出場学生たちに向けて、日本はこれまで以上に海外に進出する必要性が増しており、「技術力とグローバル感覚が非常に大事になってくる」と説明。Imagine Cupではそうしたものを吸収してほしいと語りかけた。

筑駒PAKENは、同校パーソナルコンピュータ研究部(通称:パ研)所属メンバーで構成。独自の輸送最適化アルゴリズムを基にした余剰物資分配システム「Bazzaruino(バザルイーノ)」を引っさげ、貧困や飢餓の解決に挑む

2年連続の決勝大会出場となる東京高専CLFSは、2009年エジプト大会にも参加した有賀さんがチームリーダーを務める。昨年と同様に日本の母子手帳にヒントを得た「Electronic Maternal and Child Health Handbook」で、途上国などにおける妊産婦や幼児の健康状態の改善を目指す

日本代表チームは2日、開催国ポーランドに向けて出発した。大会期間は7月3日(現地時間)から8日まで。世界中から選抜された450名の学生たちが"知の戦い"を繰り広げる。マイコミジャーナルでもその模様をレポートしていく。マイクロソフトからは、TwitterやUstreamを通じて現地情報が発信される予定だ。

『Imagine Cup 2010 Poland』大会の模様はこちらでチェック!

日本チームTwitterアカウント @ImagineCupJP
Twitter用ハッシュタグ #Imaginecupj
Ustream等情報サイト こちら
Imagine Cup 2010 Poland 公式サイト こちら