DisplayPortのマルチモニタ・ソリューション

これらすべての問題点に対応でき、かつ適切なコストで使いやすいマルチモニタ・ソリューションがあるでしょうか。実はそれこそがDisplayPort技術により可能となったマルチモニタ・ソリューションです。

マルチモニタ・ディスプレイは、DisplayPort技術とそのマイクロパケット・アーキテクチャを利用することにより、2つの方法で使用できます。1つはハブでDisplayPortアダプタを使用するもので、もう1つは単一のリンクでカスケード接続されたデイジーチェーンでDisplayPortアダプタを使用するものです。システムへの実装は、モニタやマザーボード、あるいはドッキングステーションに統合することができます。マイクロパケット・アーキテクチャでは、複数のオーディオおよびビデオ・ストリーム、その他のデータ・タイプの転送が同時にできるため、複数のビデオやオーディオ・パケットを同じケーブルで転送できます。このマイクロパケット・アーキテクチャを使用することによって、DisplayPortはハブ実装時と同様に、10.8Gbpsリンクスピードで単一の接続を介してピクチャー・イン・ピクチャーや、複数のデイジーチェーン接続されたモニタをサポートします。

DisplayPort v1.2の仕様ではマルチモニタ・ディスプレイのサポートが重要な機能とされますが、デイジーチェーンとハブ対応によるソリューションは現在のDisplayPort v1.1a規格をベースにしており、完全準拠しています。

デイジーチェーンとハブ

DisplayPortのマルチモニタ・ディスプレイ・ソリューション実装は、デイジーチェーンによる方法とハブを利用する方法とがあります。

デイジーチェーン(つまりカスケード・モード)では、DisplayPortのPCソースからの出力を単一リンクの後続のモニタに接続します。そのモニタにはDisplayPortのレシーバおよびDisplayPortのトランシーバが含まれています。

図2:複数のモニタをカスケード接続した場合

一方、ハブ・モードでは、ソースとなる1台のPCをDisplayPortの入力ポートに接続し、そこから複数のディスプレイに接続します。この場合、スタンドアロンのドングル・アダプタが必要となり、このアダプタが既存のPC機器とDisplayPort対応モニタのセットにサービスを提供します。

図3:複数モニタをハブ接続した場合